やっぱり元担任である推しに甘えてしまう３ ページ22
ダリくんへ送って貰い、ふらふらのままベッドへ横になり一日が経過する。未だにどっとした疲れが体を蝕み熱に侵されて蹲った。寒い、熱い、体が重い…久しぶりの風邪の症状にじわりと涙が零れる。独りは寂しい…けれどただの風邪で両親に助けを求めるのは違うだろうし、執事長やメイド長もわざわざ遠出から既に成
そう言えば、私は前世…どうやって死んだのだろうか。記憶が曖昧で思い出せない。思い出したくない記憶なのか、それとも忘れるくらいどうでも良い記憶なのか、前世の私の名前は…家族構成は…仕事は何をしていたのか。何も…思い出せない…
薄れていく記憶の中で、長い艶のある髪を乱して小さな男の子がこちらへ駆けて私を見上げて笑う。あちらこちらへ手を引いて「姉さん、次はあそこを見に行こう」と愛らしく口にした…それはきっと私にとって掛け替えのない幸せな記憶であり【存在しない記憶】の断片的なモノなのだろう。ねぇ…教えて、君はだぁれ？
ーーー
「ーー…さん、Aさんッ！！」
「はっ…」
無理やり引き戻され意識が浮上した感覚と、ドアップにこちらを覗くダリくんの姿があった。頬に伝う涙の跡を拭われて、今の今まで泣いていたのかと驚く。
「良かった…魘されていたから心配したんだよ。勝手に入ってごめんね…見舞いに来たら部屋の中で啜り泣く声が聞こえて、マスターキーを使って入らせて貰ったんだ」
「……いえ、大丈夫です。ご心配をお掛けしました」
「何かあったのかい？」
「……覚えていなくて」
どうして私も泣いていたのか、記憶が曖昧で思い出せない。忘れては駄目な記憶だっただろうに…泣く程怖かったのだろうか。
「まだ熱も下がっていないし、余り無理せずに。あぁ…食べれそうな物を買って来たから冷蔵庫に冷やして置くね？えっと…ここ、開けても良いかな？」
「ありがとうございます、構いませんよ」
「……喉が渇いてるだろうし、はい」
冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出して、手渡して来るダリくんから受け取る。今とてもだらしない格好をしている気がするが、もう何度も情けない姿を見せているから今更な気がして諦める事にした。喉を潤わせて入れば、ダリくんは触れても良いかを確認して来る。毎回律儀に聞いてくれる紳士的なところが優しい、頬を滑る男性らしくも冷たい手の平へ甘えるように擦り寄ればダリくんは喉を鳴らし「狡いな」と呟いた。
推しとラッキースケベ展開とか求めてない。→←やっぱり元担任である推しに甘えてしまう２
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akithin.(プロフ) - 凄く面白かったです！更新楽しみにしています！ (4月28日 2時) (
レス) id: 99ff633255 (このIDを非表示/違反報告)
72 - 久しぶりの更新楽しみにしてました！！体調に気をつけて頑張ってください (3月29日 16時) (レス) id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - とても面白くて読みやすかったです！最近更新されていませんが続きを楽しにみ待っています！！ (2023年4月9日 22時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - すみませんがもう更新はされないのでしょうか？ (2023年3月26日 0時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - イポス先生の出番！！いつも更新ありがとうございます！！ (2023年2月21日 21時) (レス) @page28 id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空 | 作成日時：2023年2月6日 9時
