#3 ページ31
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( 続き )
( 柚花視点 )
だって、この女の人の言っていることが正しいのであれば耕平さんと女の人は付き合っている。
それを嘘ついていた。
別れていなかったんだ。
「私と耕平は結婚するの。あなたみたいな成人したばかりの子に奪われてちゃたまらない」
耕平さんより少し年下くらいの人だと思う。
私なんかよりずっとお似合い。
「耕平が見てない隙にラインしたのは私。もう二度と関わらないでって忠告したくて」
「柚花！」
「あ、」
女の人になんて返したらいいのかわからなくて、少しの沈黙が流れたとき。
耕平さんの声が聞こえた。
...真っ先に私に駆け寄ってくれる。
それは私の方に気があるって期待していいの？
「...ねぇ、別れたんじゃなかったの？」
何とか声を絞り出して聞いてみた。
耕平さんは少しの沈黙のあと「...ごめん」と言った。
「でも俺は、」
「仕方なく付き合ってあげたのよ。そんなのもわからなかったの？」
「あなたの口から聞いてもわかりません」
少しだけ反抗してしまった。
不安だったけど。
すごく不安になったけど、私が聞きたいのは耕平さんからの言葉なんだ。
「今の若い子って本当生意気」
この人の方がよっぽど酷い。
こんなことして耕平さんに迷惑かけるだけなのに。
「ねぇ、わかってる？卒業したとはいえ柚花ちゃんは耕平の生徒なの。SNSも盛んになってきてるし、一部の人は禁断の恋だって騒ぐ。耕平は元教え子に手を出した教師だって言われる。もしかしたら高校時代に付き合ってたこともバレるかもしれない。リスクが大きいのって耕平なんだよ？」
...少し考えてしまった。
確かにそうなんだ。
少なからず言う人はいるはず。
元教え子に手を出した教師って。
リスクははるかに耕平さんの方が大きくて。
だからわかってるんだ。
改めて言われてズキっときてしまった。
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作者名：ひーりん。
| 作成日時：2018年8月14日 16時
