死に囚われた人【第五人格】 (ページ8)

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「…。」

私は今、エマに背後から躙り寄っている。
いや特に理由なんてなくてなんとなくなんだけど、驚かしたくなった。
エミリーとも美智子さんとも目合ったけどジェスチャーで分かってくれたし。完璧。
そして、あと3歩、2歩、1歩…。肩に手を置いて、

「わっ！！！！！」

(超大音量。)
嘘。ちょっと大きめの声出しただけ。
驚いたのかエマは固まっている。お、これは成功…？
手は肩に置いたまま顔を覗き込もうとしたら、手を引っ張られいつの間にかエマの膝の上にいた。え？

「A…。」

「ごめん、ちょっと驚かそうとした。」

「…エマ、とてもビックリしたなの。
…罰として、今日の夜ご飯はエマの膝の上で食べるなの！」

エマが笑ってそう言った瞬間に女子たちからえぇっと声が上がる。少し机叩く音も聞こえたぞおい。

「なにそれずるいー！僕も！僕もA膝に乗せたーい！」

「エマ、独り占めは良くないと思うが。」

「じゃあ明日は私の膝の上ね。決まり。」

上からトレイシー、パトリシア、エミリー。
パトリシアはまぁ分かる。新人だから聞きたいこともあるだろうし。
トレイシー！？エミリー！？なんで私が取り合いされてるの。ねぇ。ここは美少女がいるべきでしょ私みたいな微少女じゃなくて…。

「エマ、私重いから…はなして…」

いやこれ乙女の悩み。体重。重いからはよ離してほしい。

「…だーめ、これはお仕置なの。」

「うぇ、あ、えっ！？ちょ、えま、はなして、」

待って。なんかフェロモン？がすごいエマに思わず固まってたら、めっちゃ顔にキスされる、まって、抑え込まれて、る…。

「エマ待って終わり！擽ったい！」

ちょっと強めに押し返せば頬を膨らませながらも離してくれた。もう。
ふと気になって周りを見ると、食堂内全部の視線が私たち、いや、これは…私に向けられてた。うっそ何かしましたっけ。と思ってたら、みんな目を逸らして自分のしていたことに再度向かった。それが正しいんだよ。