死に囚われた人【第五人格】

35 ページ40

「はぁ、ゲホッ…ぅ」

びちゃびちゃ。押さえた手からもこぼれ落ちた嘔吐物は地面を汚す。
今日初めてダウン放置なるものを経験した。
まだ人格？が不完全な私な起死回生に振っていないのだが、それが仇となりこの状況。監視者がうねうねと揺れている。
ハンターは白黒無常だったか。レオの思い出は寒いね。見る分には素敵だけれど。
1人飛ばしで1人はチェア、もう1人はそっちの救助中という状況。毎回毎回ダウンさせられてしばらく経つとどうしても吐いてしまう。どうにかしなきゃな、これ。

もう失血死も近いかも。だんだん視界が霞んで、目の前が真っ暗になる。スキル使った時と同じじゃん。
座るのも疲れて適当に横になった。自己治癒はできるだけしたし、あとは失血死か仲間が来るのを待つだけ。間に合わないだろーなー、実はひっそり失血死早いし、私。

「監視者って感情あるの？」

答えてくれるわけもないけれど、話しかけてみる。あるはずないか、どうせすぐ死ぬ存在だし。
…暇だなぁ。

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す