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#136_Evil Spirit ページ13

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「洋平さーん、夜、食べたいものありますか？」

「わ、A！」




ガチャっと扉の開く音がして、
なんとも最悪なタイミングで彼女がスタジオに入ってきた。


夕飯に何か食べたいものがあるか
聞きに来てくれたみたいなんだけど




「・・・お邪魔しました」

「え、ちょっと待って！」




座っていたキャスター付きの椅子をザーッと滑らせて
出て行こうとする彼女の手を咄嗟に掴んだ。




あー、キャスター付いてて良かった。


立ち上がって歩いてたら間に合わなくて、
絶対目の前で勢いよくドアが閉まってたに違いない。


お祝いに、と
この椅子を贈ってくれたメンバーに
ありがとう！と再び感謝した。




「これはさっきまで怖い話見てたから！それで！」

「・・・私にはどう見てもアダルトな動画にしか見えないんですけど」




彼女の目が驚くほど冷やかになる。




「だからね、ホラーの後はこういうの見ないと！」

「意味が分かりません。どんな決まりですか、それ」

「よくある話だよ？聞いたことない？」

「ないです。」




彼女からしたら、俺が必死に言い訳してるようにしか
聞こえないんだろう。


返事の仕方が物凄く素っ気ない。




「て言うか、ホラー見た後でよくそんな気分になれますね？」

「いや、そうじゃなくて！」




決してホラーを見た後に
如何わしい気分になったわけじゃない。


てか、そういう気分になったんなら
わざわざこんな動画見なくてもAが居るわけだし！




「怖い話をしてると寄ってくるとか視えるようになるって言うでしょ？
今日も3本見ちゃったから真逆の見て祓ってたの！」

「ホラー好きなのに、そういうのはダメなんですか？
それならホラーなんて見なければいいのに」

「いやいや、ホラーは究極のエンターテイメントだよ？」

「洋平さんの気持ち、よく分かんないです。
磯部さんとなら理解し合えそうだけど」

「ちょ、なんでそこでヒロの名前が出てくんの」

「怖い話が苦手な者同士、
分かり合えそうだなーって思っただけですよ」

「だからってヒロの名前出すことないでしょ。
しかも俺と比較するみたいにさー」





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