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ていうか、なんで同じピンクにしちゃうの。
ふたりで仲良く相談でもしてたら嫌だな。


もし違う色だったら、
きっとこんな気分になることもなかったのに・・・。




「ちょっと出掛けてくる！」

「え、なんで！？」




いつまでもグダグダしてても仕方ないし、
いきなり立ち上がると洋平さんが驚いていた。




こういう時は気分転換するに限る。
ちょっと外を散歩して、気が向いたらショッピングなんか
しちゃったりすればいい。




ヨシ、そうと決まれば。
出掛ける為にメイクを直そうとポーチを手に取った。




「じゃあ、俺も行く！」

「え、洋平さんも？」

「なーんで彼氏が一緒に行くの嫌そうにすんのー」




だって原因の洋平さんが付いて来ちゃったら
また考え始めちゃって、
気分転換できなさそうな気がするんだもん。




「そうだ、A。お揃いにしていこうよ」




そんな私の気も知らず、
本人は一緒に出掛ける気満々みたいだけど。




「お揃いの物なんて持ってないですよ？」

「それは分かってるよ。そうじゃなくてさ、」




そう言うと何故か洋平さんが
私のメイクボックスをガサガサとし始めて、
持ってきたのは4色のカラーが入ったアイシャドウ。




「これ、この色付けてよ」




ケースの上から指定されたのは、
色味を抑えたくすんだピンク。




「この前Aがね、この色付けてて可愛いなって思ったの。
けど俺がアイシャドウ塗るわけにはいかないでしょ？
だから髪色にしちゃった」

「え、その髪、もしかして、この色・・・？」

「そうだよ？もー、Aがなかなか気付いてくんないから
自分から言っちゃたじゃん！」




そう言って、洋平さんは屈託なく笑うけど




・・・そんなの分かんないよ。
だってシャドウの中の一色だよ？


仲の良い、しかも女友達と同じ髪色をSNSでお披露目してたら
ふたりでお揃いにしたのかなって考えちゃうよ。





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