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#131_くすんだピンクとペアリング ページ1

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「ねえ、A。なんでご機嫌ナナメなの？」

「ナナメじゃないよ」

「じゃあ、気分が浮かない？」

「そんなことない」

「分かった！凹んでるんだ？」

「ううん、ちがう」

「じゃあ、なんでそんな顔してんの？」




原因は貴方です！なんて言えたら、
少しは気分が晴れるのかな？




一瞬そんな風に思ったけど、多分そんなことはない。




だって、この気分は、
きっと私の被害妄想から出来ている。




さっきまで洋平さんに聞かれたこと、
実は、全部当て嵌まってる。


気分が浮かずにモヤッとしてて、
そんな自分にご機嫌ナナメ。




洋平さんは私を心配そうにしながらも、
染めたばかりの髪の毛を目の前でサラサラと揺らしていた。




そんな洋平さんと、時々チラッと目線が合う。




言って欲しいんだけど、気付いて欲しいんだけど、
私の機嫌が良くないようなので、
ちょっと様子を伺ってるって感じ。




髪色を変えたのは知ってる。
SNSも見たし、だけど 『いいね！』 はしていない。


だから私が気付いてないと思って、
言って欲しそうにしてるのかな？




だけど、私のモヤモヤはその髪色が原因で。




洋平さんの海外のお友達(女の子)が、
何日か前に同じ髪色にしていた。




洋平さんはそこまで明るいピンクじゃなくて、
少しブラウンみのあるピンクだけど


それを知ってしまったおかげで
私はすっかり気分が沈み込んでいる。




洋平さんと仲良くて、時々SNSに載ったりするから
フォローもしてたんだけど
こんな気分になるくらいならしない方が良かったかも・・・。




洋平さんの隣にいるのは私だって分かっていても、
その自信はとても弱くて小さくて
ほんの些細なことですぐにグラついてしまう。




洋平さんの周りにいる人達が凄すぎるから、
簡単に自信を失うことが出来てしまう。





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