8話 ページ8
宮野くんがあまりにも
心のこもった声で言うから
「…フッ…ヒッ」
大翔「松崎さん?どうして泣いてるの?」
宮野くんは心配そうに顔を覗き込んでくる
「いじめられているなら言えばよかったじゃん!」
大翔「もう、無理だよ」
「なんで、なんで!」
大翔「俺はもう、諦めてるよ」
嘘だ
「…嘘だ」
「助けてって顔してた…だから助けた」
大翔「そう、かな」
そう言って宮野くんは苦笑いしていた
胸が苦しくなった
「諦めないでよ…自分を守ること、諦めちゃダメだよ!」
大翔「松崎さん…」
「誰にだって辛い事はあるよ、でも諦めないで、辛い時は逃げちゃいなよ!心には傷は残るかもしれないけど、体がボロボロになったらダメなんだよ!」
私は思わず泣き叫ぶ
自分でもよく分からないまま
「辛いなら助けてっていいなよ!私はなんにも出来ないかもだけど、話聞いたり寄り添ったりそれなら私にだってできるから!」
大翔「ずっと、辛かったんだ」
「え?」
大翔「部活から逃げてもいじめられた、どうせ誰も助けてなんてくれないんだと思った。けど松崎さんは助けてくれる気がする」
私は手を強く握る
「宮野くん、私が貴方を救いたい…!」
大翔「松崎さん、」
大翔「助けてください…!」
「はい…!!」
本当に宮野くんが私を信じてくれているか分からない
私だって本当は信じることなんて出来ない
けど
大翔「松崎さん、毎日放課後俺とあってくれませんか?」
「どうして?」
大翔「毎日2人で居れるだけで、話聞いてくれるだけで、俺は十分嬉しいから」
全く話したことの無い男子なのに
力になりたい
「分かったよ宮野くん!」
「15時15分、ここで会おう。」
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RE:0096 - いい話...感動ですわー。(最終回のタクシーの運転手、リア充のイチャイチャなやり取り見せられてたんか....w) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セピ | 作成日時:2020年4月28日 23時