理解者12 ページ45
.
.
上矢「はぁ…はぁ……ここまで来れば、、」
階段の壁に2階という文字。
3階も下ならば爆風の被害は少ないだろう。
上矢「は、はは、、やったぞ、、」
ついにだ。
ついに仇が取れた。
さっき両脚を折ってやった時の苦痛の顔。
いつもすました能面女の苦渋に歪む顔。
そして爆弾で死ぬあの女。
最高の気分だ。
その時だった。
「動くな」
「...ぇ」
ザワりと背筋が凍るほどの殺気を感じた。それと共に後頭部に押し付けられる冷たい細いもの。
「そのままゆっくり振り向け。騒げば脳天ぶち抜くぞ」
カチャリと音が鳴った。
背後から聞こえてきた静かに激怒している声色に身体は動かなかった。
.
.
.
────
赤井side
あの時
Aは降谷零を庇っていると知った。
その時の憤りは今でも覚えている。
ボウヤから、安室君とAは知り合いだったかもしれないと聞いてからその感情は焦りと変わった。
ある程度距離が縮まったと感じても、次の瞬間には指の間からすり抜けていく。と言っても、物理的に遠くに離れている訳ではない。そんな関係。
心地よく感じていたのかもしれない。
その距離感が。
だから安室君が出てきた時、柄にもなく焦った。
彼は昔のAを知っている。
それだけで俺よりもAと近い距離に居るような気がして。
行くな、と伝えたくてもAの耳には届かない。Aはきっと一人で決着をつけるつもりなのだろう。
“『秀一。貴方と出会えてよかった…本当にありがとう』”
本当に幸せそうなむかつく笑顔でそう言ったA。
“出会えてよかった”?“ありがとう”?
なぜ過去形なんだ。
まるでもう最期みたいなじゃないか。
だから、
目の前を不気味な笑みを貼り付けてフラフラ歩く男が目に入った瞬間、柄にもなく頭に血が上った。
コイツがAを苦しめた男。
10年以上を縛り付けた男。
兄を殺した男。
「動くな」
分かりやすくビクッと肩を揺らした上矢。
恐る恐る振り返って俺の顔を見ると、俺の今の怒りに染った表情なのか、俺を知っているのかは分からないがサッと顔を青白くさせる。
「そのままゆっくり振り向け
騒げば脳天ぶち抜くぞ」
上矢「な、な...なんでもする!い、命だけは!!こ、殺さな、いで...」
腰が抜けたのか床を這うように逃げる上矢に一歩で追いつき、胸ぐらを掴んで無理やり立たせる。こんな気色の悪い男にAは...
ヒッ!と声を上げた上矢に右手を握りしめる。
そして....
.
1912人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トロ丸くん(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて大好きです!ただ、理解者2から3にかけてがおかしくなっているので修正したほうがいいと思います。更新楽しみにしています! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 1357d0851f (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!番外編とかでもっとジンとの絡みが見たいなぁと思ってますw更新頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 51ee7cd96d (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです最新待ってます頑張ってください (2020年4月2日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤さん - 続編おめでとうございます!待ってました!!今度はジンのターンですね( -ω- `)フッジン好きの私にはニヤけが止まりませんw (2020年3月20日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:235711 | 作成日時:2020年3月15日 19時