野良猫8《名探偵コナン》

理解者11 ページ44

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それに最近...
Aは自分以外の人に尽くすことが増えたと思う。悔しいが俺を含めて...な。

Aに出会う前、まだ白川Aとして活動していた姿を見ると、自分の能力は自分のために使い、存分に力を振るう強欲者でルパン三世等と欲求に従い宝を取りまくっている印象だった。



ルパン三世等と離れ、自分の兄貴のために1人になることを選んだA。

猫と会っているのは自分が1人ではないことを自分自身に錯覚させるためだったのだと俺は思う。


人といるのがめんどくさいのではない、復讐が終わった時に訪れる別れが怖かったんだ。
それによって傷つく自分も、仲間も。



アイリ「変わったな、A」

『...変わった？』

アイリ「俺の知っている白川Aはそんな人質を助けるような奴ではなかった。」

『...うん』


分かっていると、Aはそう言った。





『その理由は、きっと守りたい大切な人ができたからだよ』


ルパン三世達といた時、常に守られていた存在であったA。
Aは自分は戦闘向きではないし、自分自身を守るくらいの戦闘スキルならあるが、流石に人を守りながら戦うまでは持っていないと。

そして、ルパン三世等と離れ、宮野志保みたいな逆に守りたいと思う人が出来た、、と。
自分が背負うものがさらに重く増えていったときても、それを毛嫌いするのではなく受け止めて、大事に守っている。
きっと俺もその背負うものの中に入っている。それがたまらなく悔しい。


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『貴方にも出来るといいね？そう思うことの出来る相手が。』

「......はっ、どーだか」


守りたい人なんてとっくに決まっている。
全てを背負おうとしている1人の少女。

Aは一人で今回決着を付ける。
一人で全てを背負おうと思っている。

Aはたとえ死んだとしても、宮野志保を守るつもりだ。


だが、その人質に対して思っていることは俺がAに対して思っていることと同じだ。
Aを失いたくはないと思っていることは確かだ。

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死なないでくれ


その一言を今のAに掛けたら、何か変わるだろうか。
それでもそれを口にすることは柄ではないので、言葉を飲み込んで少し笑った。


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Aがいるであろうビルを見上げる。

A...
俺にこんな感情を残したまま死ぬつもりか？





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