野良猫8《名探偵コナン》

侵入者9 ページ30

.


上矢「我々は日本の未来の為に動いている。人の為に動いていた我々を壊そうとする？」

『人の為か...いい言葉だね。まるで自分を善人と思い込ませるような...そんな甘い言葉だ』

上矢「...何が言いたい」

『そう思っておけば、何をしてもいいと思ってんのか？兄貴を殺し、その死体を爆破させるなんて正気の沙汰とは思えない！！』

上矢「ボスを自害へと追い詰めたお前はどうなるんだ！！！」


ﾊﾟﾝｯ！

上矢が声を荒らげたと同時に幹部の1人が私に向かって弾を打つ。
放たれた銃弾が私の顔のすぐ真横に当たる。


でも避ける必要は無い。
上矢は私を射殺する気は無いから。
GATEの首謀者の仇討ちだ、私を爆死させるに決まっている。
生きながらの死...最も辛い死に方を。


拳銃を構えた男の方に注意していると、ニヤニヤと笑った上矢が視界の端に入る。


上矢｢...そーいえば、まさかあの白川君の妹さんが君だとはね〜｣

『あ？』

何を言い出すつもりだ？？


上矢｢怪しいと思っていたが、一般人を殺させてみれば直ぐに本性を表したよ...
本人は隠していたつもりでも目に出てたからね、良心の呵責が。｣

『っ！！！それがどれだけ兄貴を苦しめていたか、お前はわかんないだろう！？』

完全にプチッと切れた気がした。
一般人を殺させた？？ふざけんな！！
兄貴はお前のような非情なやつじゃない。
一般人を殺すとき、一体どんな気持ちだったのか...考えるだけで心が痛い。


アイリ｢A、冷静になれ...ここに上矢はいない｣

『分かってる！分かってるけど！！』

怒りのベクトルの方向が分からない。
焦るな、と自分でも分かっている。
でも、冷静になれない。

上矢｢俺ばっかり、気にしていていいのかな？｣


上矢の言葉に目の前の男に目を移す。
男は室内なのに黒いジャンバーコートを来ており、少し不自然さを感じる。

｢は、ははは...ホワイトォォ、俺は...お前を敵にまわしちまったのが、悪ぃんだよォなぁァ｣

『...？』

ホワイト？なんでそんな呼び方を...


上矢｢そいつはお前の仲間のブラックだよ...ああ、元仲間の間違いか｣


ブラック？？
ネット上の......こんな男だったのか。

だが、それより様子が変だ。
瞳孔は開きっぱなしで言動もおかしい。


｢どーせぇぇ死んだよォ俺もお前もォォオ！！｣


その時、
ブラックが着ていたコートを剥ぎ取った。
それを見て私とアイリッシュは目を見開く。
ブラックの体には何個もの爆弾が巻かれている。



自爆？？

侵入者10→←侵入者8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す