野良猫8《名探偵コナン》

捕食者16 ページ18

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一人の警察官としてではなく一人の父親としての行動を選んだのだ。

それは警察官としては間違った選択かもしれない。


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それに対し、まだ幼かったのにも関わらず、Aは何回もごめんなさいとありがとうを繰り返し言っていた。

......後々考えると、それはAが俺達を試していたのであって、父がAの利益を取るようだったら家を出ていくつもりだったのかもしれない。そのごめんなさいの意味もきっと...


この出来事の後、両親は事故で亡くなった。



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「...血は繋がってねぇが、Aは本当の妹のように思っている。大切な存在だ。」


「両親が死んで、俺に負担を掛けないように俺の元から去った優しい子だ。」


「Aが可愛くて優しくて強いことなんて世界中の誰よりも知っている。」
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誰から見てもシスコンだと分かる白川がここまで深くAを語った。
俺ら同期ですらAの写真を見たのは卒業間近だった程の過保護の白川がここまで話すなんて...


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この時白川の心境をもっと汲み取っていれば...


そう言って白川は部署を去った。




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その数ヶ月後────
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あるビルの屋上で俺らは再び出会った。
その頃俺は既に黒の組織の潜入捜査は始まっていた。

お互い潜入捜査のこの時期に、白川から会って話したいと連絡を受けた。
この危険な時に送られてきたメール。
それだけ重要な事なんだろう。


久しぶりにあった白川は痩せてしまっていて、軽く押すと簡単に折れてしまいそうな印象を持った。目の下に隈を作り、何日も寝ていないような表情。

一瞬誰だか分からなかった。
これが、俺と長年競ってきた‘あの’白川か？？


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はっきり言えばショックだった。


白川「久しぶりだな」


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そんな驚く俺に対し、白川は何も気にしていないようだった。


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白川「お前も今、潜入捜査をしているんだろ？？...どうだ？調子は？？」

降谷「...今のところは特に問題ない。上手くやっている」

白川「......そうか。」


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お前はどうだ？なんて聞けなかった。
この前風見に聞いた報告の中で、白川が一般人を殺してしまった事を知った。

そしてその状況で小さいが、ボロを出してしまった...と。
そのボロがどれだけ影響するか分からないと。
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