捕食者9 ページ11
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「貴方、辛くないの?」
『...?』
唐突な私の質問に少女は首を傾げた。
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「賢い貴方なら分かると思うけど、貴方の今いる世界は表舞台では無いのよ?
まだ幼いあなたがこの世界に浸かって、辛くはないの?」
『うーん...』
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この子はきっとこのまま成長すればこちらの世界に完全に浸かることになるだろう、この闇の世界に。決して落ちることの無い血を浴び、ただ罪人として生きて死んでいくこの世界に。
なのに、この子の瞳は決して闇に染まっていなかった。柔らかく暖かな光に滲んでいて、少なくとも闇に触れているはずなのに、それを少しも感じない。
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少し考えた後少女は「それはね、」と口を開け、私はそれに耳を傾けた。
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『私にはね、私の存在を太陽みたいに照らしてくれる人がいるからかな』
それを聞いて私は納得出来なかった。
太陽から避けるようにあるこの世界には、光は入らない。だが、彼女にはそう思える飼い主がいるのだろう。
それは本当なのか、ただこの子が騙されているのかは分からない。
「、、なら、貴方は月かしら?」
『月?ははっ、私はそんな、月みたいに美しいものじゃないよ』
「これから綺麗になっていくのよ、女は。」
そうかなぁ、と微笑んだ少女は美しかった。既に月と表現してもいいような...
この子の未来を考えると恐ろしい。
このままここに居るのはもったいないと思った私は、何とかこの少女を表舞台に出してあげたいと思った。
女優の知り合いに養子として迎えてもらえばいい。ここまで容姿が整っているのなら、子役として光を浴びてもいい。
この子にはそれだけの価値がある。
「貴方に指示を出しているのは誰?」
『......どうして?』
私の質問に少女は目をスっと細くした。
私の考えている事を覗くように。
私の考えが分かったのだろうか。
この子はそれほどにも賢い。
「私があなたをこの世界から出してあげるわ。正直勿体ないもの...このままこの世界に呑まれてしまうのは。両親はいるのかしら?」
『秘密だよ』
上がった口角の前に人差し指を立てた少女に言おうとした言葉は止まる。
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『秘密は女のアクセサリー、なんだから。』
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そう答えた少女は妖美な笑みがよく似合っていた。
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トロ丸くん(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて大好きです!ただ、理解者2から3にかけてがおかしくなっているので修正したほうがいいと思います。更新楽しみにしています! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 1357d0851f (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!番外編とかでもっとジンとの絡みが見たいなぁと思ってますw更新頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 51ee7cd96d (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです最新待ってます頑張ってください (2020年4月2日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤さん - 続編おめでとうございます!待ってました!!今度はジンのターンですね( -ω- `)フッジン好きの私にはニヤけが止まりませんw (2020年3月20日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:235711 | 作成日時:2020年3月15日 19時