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銀さんの言葉出来ず、ただただポカンとする。
何だって?私が?
――沖田隊長が気になってる??
「っはぁぁぁぁぁああああああ!!!!?」
たっぷり十秒以上理解に時間をかけた後、飛び出したのはこれまた久々すぎる素っ頓狂な大声だった。
つまりあれか?私があいつに、異性的に好意を抱いていると!!?
考えた直後、全力で私は首を横に振った。それはもう首がもげそうなくらいの勢いで。
ちょっと首の筋肉痛いけど、今それは本気でどうでもいい。
「いやいやいやいや、無い!無いですそんなの絶対ありえませんよ天地神明に誓って!!!」
「天地神明なんかい。あー、ま、落ち着け。でもってとりあえず座れ」
どーどー、と無意識の内に立ち上がっていた私の肩を叩き、座ったのを確認してから銀さんはまた口を開いた。
「誰も恋愛的に気になってるとは言ってねェだろ。これは別に異常でも何でもないの。ちょっと想像してみろよ。
クラスに自分にいちいち嫌がらせとかちょっかいを出してくる男子がいる。最初とか嫌がらせされてる時はそりゃ嫌だと思うだろうさ。
毎度毎度喧嘩ばっかりで、全然仲良くない。
けどそれがある日突然ピタッと無くなって、でもって話すらまともにしなくなると、女子っていうのは自然と気になるもんなんだよ。
つまり、結果として女子は案外相手にちょっかい出されるのが満更でもないって訳だ。特に相手がイケメンだと」
満更でもないって……。
「その話は何となく理解出来ますけど、でも私あいつに嫌がらせされて満更でもなくなったことないんですけど。寧ろ殺意芽生えてたんですけど」
「でも前の方が楽しかったんだろ?要は喧嘩友達みたいな感じなんだろ」
「喧嘩友達…」
思わず眉をひそめて呟くと、「何その嫌そうな顔」と聞かれてしまう。
「いやー、あいつの性根の曲がり具合を考えるとちょっと認めたくないというか…。うーん、でもそうかー……」
喧嘩友達。まぁ確かにそう言われると、しっくりくる気もする。
あんなに遠慮なく物を言い合えたのは隊長だけだし、他にいない。となると、私にとっては大事な関係だったのかもしれない。
だから今、こんな気持ちになってるのかも。
「……ま、沖田君は愛情の裏返しだろうけどな」
「え?」
ぽそ、と銀さんが何か言った気もしたが、「何でもねーよ」と言われてしまった。
そう言われると余計に気になるんだけどな。
とは言っても、深く突っ込んでも仕方ないので流すことにした。
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伽那 - 一言で言うとこれめっちゃ好き (2019年11月26日 22時) (レス) id: dad38348f0 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 沖田総悟さん» ありがとうございます!!もう!受験早く終われ!!!(泣)じわじわ更新ですが頑張ります! (2018年1月5日 8時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
沖田総悟 - とっても面白かったです!!キュンキュンもするし、見ながら泣きました‥。更新がんばってください!そして、受験ガンバってくださいね!!応援してます!! (2018年1月4日 19時) (レス) id: b86e1fcd7d (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - にんじん さん» あぁありがとうございます!!(泣)あと9日なんですよねー……ハハ。頑張ります! (2018年1月4日 14時) (レス) id: e79ecf6629 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 受験頑張ってください!応援してます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年9月29日 20時