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――それから、手当たり次第に隊士たちに質問していったのだけれど。


「お、おおお沖田隊長の気持ち!?い、いや知らない!!」

「隊長の気持ちですか!!?俺はちょっと知らないです!!はい、全く!!」


……と、返って来たのはこんな返事ばかりだった。


意外と男でも分かったりしないものなの、これ。それにしては、皆が皆示し合わせたみたいに慌ててるのがやけに気になったけど。

もしかして隊長がドSだから、下手なこと言って報復されるのが怖いのかな?


とは言え、全く進展が無いというのはあまりよろしくない。隊士たちが分からない以上、自力でどうにかするしかないからだ。

要は振り出しに戻ってしまったのだ。


仕方ないのでまた考えてみたのだが、当然何の思いつきもない訳で。試しに貸本屋なんかに行ってみて、男子の心理について書いてある本を読んでみたりもしたのだが、よく分からなかった。

ドSで女子に首輪付けようとする奴の例を挙げてる物なんて、当然一つも無かったし。


「困った……」


時間が経てば経つほど、焦りが募っていく。こうしてずっとこのままでいたら、その内この関係に慣れてしまって、何も感じなくなるんじゃないか。そんな不安が日に日に増してくる。

そのせいか、部屋の空気までどんよりと重いものになってきている気がして、何だか息苦しかった。


ちょっと、外の空気でも吸おうかな。


溜息を吐きながら部屋を出て、廊下を歩いて行くと。


「「!」」


ばったり、と。沖田隊長と鉢合わせた。


「っ……」

「……」


反射的に目を逸らしたが、そのほんの一瞬の間に見えた沖田隊長の顔が、どこか寂しげなものになった気がした。


何も言えずに立ち止まっていると、スッ、と隊長が横を通り過ぎる。それがやけにゆっくりと、スローモーションのようなスピードに感じられた。


――話しかけなきゃ。


直感的にそう思った。このまま流したら、すごく駄目な気がした。

瞬間、私は。


「――あ、あの……。沖田隊長!」


振り返って、立ち去ろうとした沖田隊長を呼び止めていた。

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伽那 - 一言で言うとこれめっちゃ好き (2019年11月26日 22時) (レス) id: dad38348f0 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 沖田総悟さん» ありがとうございます!!もう!受験早く終われ!!!(泣)じわじわ更新ですが頑張ります! (2018年1月5日 8時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
沖田総悟 - とっても面白かったです!!キュンキュンもするし、見ながら泣きました‥。更新がんばってください!そして、受験ガンバってくださいね!!応援してます!! (2018年1月4日 19時) (レス) id: b86e1fcd7d (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - にんじん  さん» あぁありがとうございます!!(泣)あと9日なんですよねー……ハハ。頑張ります! (2018年1月4日 14時) (レス) id: e79ecf6629 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん   - 受験頑張ってください!応援してます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年9月29日 20時

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