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朝は育てた薬草を採り、副長の手当て。
後は稽古なんかで怪我をした人の手当てをする。それが大体の私の日常。
でも私は別に正規の医者じゃない。今時じゃ遅れた医療ともされる、漢方とか薬草、鍼術に詳しいだけ。
大体二年くらい前に近藤さんに拾われて、ここでその知識を生かしているだけなので、ボランティアみたいなものなのだ。
まあ給料貰ってる時点でボランティアじゃないけど。
「そろそろあの薬草手に入れに行かないと」
給料の大半は薬草を育てる事に使っているけれど、条件的に育てられないものは山に採りに行くか、買わないと駄目なのだ。
今回欲しいのは買わないと手に入らない。
「行きますか」
私は贔屓にしているお店へと向かった。
* * * *
快晴の下の通りを、手に入れた薬草を持って歩く。
そうやって歩いていると、道の先に真選組の隊服を着た人を見かけることもしばしば。見回りだろう。
今日は何番隊が当番だったっけ?
「あっ!A!」
後ろから聞き覚えのある声がした直後。
ドゴッ!
「ぐふぉおっ!」
女とは思えない声と共に、口から空気が抜けていく。
こ、腰にとてつもない衝撃が・・・。
「A〜!久しぶりアル!」
しかしそのぼやきもその愛らしい声で一瞬にして消し飛んだ。
「神楽ちゃん、久しぶり」
ぐりぐりと頭を擦り付けてくる可愛い子は神楽ちゃん。今日も可愛いなくそう。
「銀さんと新八君は?今日はいないの?」
「そうネ。今日は酢昆布買いに来たアル」
向き直って頭を撫でるとくすぐったそうに笑う。
何この可愛い生き物。超絶可愛いんですけど。癒される。
「Aこそ、買い物アルか?」
「うん。薬草買いにね」
「あんなむさ苦しい男共の魔窟で大変だナ。変なことされてないアルか?何かあったら私に言うヨロシ!そいつを抹消しに行くネ!」
……か。
可愛すぎでしょこの子ぉぉおおおっ!!
「ありがと。でも私は神楽ちゃんの笑顔見れるだけで幸せだよ?いや本当癒し」
「そうアルか?Aが喜ぶなら、いくらでも笑ってやるネ!」
「ぐはっ」
可愛さ200点満点の笑顔に射抜かれる。
凶器だ……。これは可愛さという名の凶器ッ……!
もう私のHPは限界だ。
ああでもこれで死ねるのも悪くない。っていうか本望。
「――何やってんでィ、お前ら」
が、その幸福は一瞬だった。
…出たなドS野郎。
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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時