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「副長!!」
「うおっ!?」
スパーンッと襖を開け放ち、私は仕事中の副長に詰め寄る。
仕事の妨害とかこの際気にしてなどいられない。こちらの方が余程重大だ。
「副長、沖田隊長に何があったんですか!?もう一週間も嫌がらせしてこないんですけど!?何か怖いんですけど!?
まさかアイツ頭打ってどっか壊れたんですか!!?」
「お、落ち着けA!」
ポンポンと肩を叩かれ、私は我に返った。
しまった。勢い余ってすごい近距離で叫んでしまった。
慌てて距離を取り、きちんと正座する。
「すみません、取り乱しました」
「いや、別に構わねェが……。総悟が何だって?」
こちらに向き直った副長に、改めて私は言い直す。
「沖田隊長が一週間も嫌がらせしてこないんですよ。憎まれ口を叩くどころか、今朝なんて普通に挨拶してきましたし。すごい怖いんですけど」
「……あー。(そういう手に出たかアイツ……)」
何か察したらしい顔の副長に、更に訴える。
「どこか具合でも悪いんでしょうか?嫌がらせしてこないのは正直ありがたいですけど、憎まれ口まで無くなると寧ろ違和感しか無いって言うか、キャラ崩壊って言うか……。また何かろくでもない事しようとしてるんじゃないかって不安で胃が痛いです」
「ザクザクに斬り捨てるなお前」
呆れた顔で言い、副長は頭を掻く。
暫く天井を見上げてどう言うべきか悩んでいたが、徐に口を開いた。
「別に具合は悪くねェよ。アイツなりに反省してんだろ」
「反省……ですか」
副長は、だからあまり深く考えんな、と告げる。
「ま、お前がそれが嫌だっつーんなら考え直すだろ」
「はあ……」
何かよく分からないけど、流石に今のままは気持ち悪いって言うか……。
ああでも、特に何も企んでないならそれでもいいか……?
そうは思ったが、やっぱりどうも納得出来なかった。
何だかんだで、多分真選組で一番距離が近くて話をしているのは沖田隊長だ。嫌がらせはともかく、憎まれ口まで無くなると、その距離が離れたみたいな気分になる。
…何か普段の主張と矛盾してるけど、前の方が良い。
「分かりました。言ってみます」
「おう」
お礼を言って、私は沖田隊長を探し始めた。
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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時