【ダイヤのA】部活終了後のマネージャー室《短編集》

【結城哲也とLINE】 ページ48

ある日、いつものごとくマネージャー室で課題をやっていると、LINEの通知が鳴った。
純からだったんだけど、メッセージが…

『Aか？俺だ』

…………なにコレ。
私に送っといて『Aか？』って聞いてどうする…。
しかも、LINEで『俺だ』って…。

これは、メッセージ送ってきたのは純じゃないな。
純のスマホを借りることができて、こんなスッとぼけた文章書きそうなのは…某キャプテンぐらいしか心当たりがない。

《オレオレ詐欺なら間に合ってます》

とりあえず、そう返してみると、

『すまん俺だ』

と返ってきた。
いや、だから…。

《もしかして、哲？》

『そうだ俺だ』

…『俺だ』はもういい。

《どうしたの？》

『純にラインって何だと聞いたら、自分で殺ってみろと渡された』

……えっと、私、殺されてしまうんでしょうか……

《哲、やってみろ、が、殺ってみろになってるよ(笑)》

『すまん間違えた』

まぁね。
哲、慣れてないしね。

『Aとヤってみろと渡された』

「ちょっと待てぃっ！！」

私は思わずスマホの画面に向かって突っ込んでしまった。
なぜそうなる…！
純のスマホの予測変換、どうなってんの…。
普段どんな文章作ってんだあのスピッツは！

…とりあえず、これはスルーすることにしよう。

《メールみたいなものだよ。通話もできるけどね》

そう返すと、すぐ既読になったのに中々返信がなくて、え？LINE初心者の哲に既読無視された？とか思ってたら、暫くして

『聞こえたか？』

と送られてきた。

……はい？
…もしかして、私が『通話もできる』って教えたから、今この状態でスマホに向かって喋ってたのかな…

『純の昔の恥ずかしい話を言ってみた』

えっ！？
何それ、メチャクチャ聞きたい！

『そしたら今怒られてる』

プッ…
そりゃ本人の目の前で、恥ずかしい話とか声に出して言ったら怒られるよ…。
『向こう側』で、ギャンギャン哲に喚いてる純と、それを気にせず無表情でスマホに向かってる哲が見えた気がした。

《その話、今度詳しく教えて》

『わかった。純がそろそろ返せと言ってる』

《了解。じゃあ今日はこのへんで》

『またヤろうなA』

「いやだから、それはヤバいって……哲……」

私はスマホを持ったまま、ずるずるとイスから半分滑り落ちた。

《番外編》【御幸一也と映画】→←【成宮＆原田とナゾナゾ(2)】★

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