【ダイヤのA】部活終了後のマネージャー室《短編集》

【クリス＆金丸の巻き込まれ事故(2)】★ ページ45

…まったく…カンベンしてもらいたい。
どーすんの、この何とも言えない微妙な空気。
後で倉持に回し蹴り…いや、飛び蹴りでもしとこうかな…。

コホン、と一つ咳払いをしてから、私はベッドの上からクリスへ話しかけた。

「…えーと…クリス、どうする？あの様子じゃ、金丸は暫く帰ってこないと思うけど…。先にマッサージしようか？」

クリスにもマッサージ頼まれてたし、ここで『じゃあ』って帰るわけにもいかないし…。

「…あぁ…そうだな…」

そう言いながら、クリスはイスから立ち上がって振り向いた。
頬が赤いように見えるのは…気のせいじゃないはず。
そのクリスと不意に目が合ってしまって、私は思わずフイッと顔を逸らした。
…ちょっと…意識しすぎかな…でもさ…

どうやらクリスも同じような心境らしく、顔を逸らして首の辺りに片手をやりながら、こちらへ歩いてくる。

チラ、と私が横目で視線を戻した時、クリスの足元に、金丸が蹴飛ばして落とした雑誌が広がっているのに気付いた。

「っ！クリス、足元…！」

「！？」

私の警告は間に合わず、クリスは雑誌を踏んでしまい、ずるん、と滑ってこっちに倒れて…

「あぶな…」

ドサッ

私は背中からベッドに倒れ込んだ。
そして、思わず瞑ってしまった目を開いたら…
すぐ目の前に、頬を赤くしたまま、驚いて目を見張ったクリスの顔。
両手を私の顔の横について…いや、ちょっと待って、何この体勢…！

『make loveってどういう意味ッスか！？』

こんな時に、沢村の声が甦る。
それに加え、今までにないクリスとの至近距離に、カアァッ、と一気に私の顔は熱くなった。

「ク、クリス…！」

「っ！すまない…が、今…その顔で、呼ばないでくれ…！」

思わずクリスの名前を呼んだら、真っ赤になりながらそんなことを言われた。
…と、その時。

「ほら、ちゃんと謝っとけよ。」

「いや、さっき一応…」

ガチャッとドアを開け、沢村と金丸が戻ってきた。
部屋に入って、私とクリスの状態を見て二人してピキーン、と固まったあと…

「…お、お邪魔、しまし…」

「ま、まさか、make love現在進行形ー！？」

「「違う！！」」

金丸と沢村それぞれの言葉に、私とクリスは声を揃えて反論した。

【成宮＆原田とナゾナゾ(1)】★※下ネタ有(^^;→←【クリス＆金丸の巻き込まれ事故(1)】★※下ネタ有(^^;

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