【沢村&春市の場合(4)】 ページ38
「…なによ、鼻毛なんて出てないじゃん…」
純が出て行ってから、私は鏡で鼻を確認したが…特に気になるところはなかった。
…と、その時。
バッタアアァァン!!
「A先輩ー!!」
「え、栄純君、そんな大声で…」
私はもうドアを振り返らずにため息をついた。
どうやら今度は一年の漫才コンビのお出ましらしい。
「A先輩っ!いつから御幸一也とドッキドキ☆な関係に!?」
「その言い方やめて!御幸とは何でもないから!」
思わずガバッと振り返って叫んだあと、私は額に手を当てて俯いた。
「沢村…春市君…一応聞くけど、その話、誰に聞いた…?」
「誰って…夏川先輩と梅本先輩が…」
「雑誌を持って踊りながら部屋に突撃してきましたよ。」
沢村に続けて春市君が言った。
…まぁそうだよねー…
「それで、A先輩!結局どうなってるんスか!御幸一也とは!」
「どーもこーもなってないってば。」
「ま、まさか、部員とマネージャーという一線を超えて不適切な関係に陥り、日々快楽に身を委ねて…」
「何その官能小説みたいな表現…ってか話聞いてる?」
「くっそおぉ、あの腹黒メガネェ!いくらA先輩が男にモテなくて淋しくて欲求不満だからって、そこにつけこんで弄ぶとは!!」
「えっと、沢村、まず私に謝れ。」
「その腐った性根、この沢村栄純が叩き直してくれるわー!!」
そう言うと、沢村はダダダッと部屋から走り去っていった。
「全然話聞いてないし…あいつ一体何しに来たのよ…」
「す、すみません。あの写真にはきっと何か事情があるんだろうと思って、栄純君を止めようとしてたんですけど…止めきれなくて」
「春市君…!ありがとう、察してくれて!そうなの、事情があるの!別にドッキドキしてるワケじゃないから!」
そう言うと、春市君はクスッと笑った。
「…でも、けっこうお似合いだと思いますよ?A先輩と御幸先輩。美男美女で。」
「…………………。」
「…そ、そんな、この世の終わりみたいな顔しなくても…そんなに嫌いなんですか?」
「…嫌いっていうか…苦手。私の事からかって喜んだりするし。」
すると、春市君はにこっと笑いながら言った。
「僕が言うのも何ですけど、男っていつまでも子供なんですよ。好きな子のスカート捲りとかしちゃう生き物なんで…大目に見てあげてください。」
「…ど、どういうこと?」
「じゃあ僕、栄純君追いかけますね。」
そう言うと、春市君も走って部屋を出て行った。
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暇人 - フランス革命さん» ちゃんと読んでなくて草。中学生ではないネタ何個もあるのに。 (1月6日 11時) (レス) id: 9409c0bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
味塩 - すごく好みで面白かったです!!ギャグ夢大好きで、夢主のノリも理想通りで本当に最高でした…!全シリーズ読んだのですがまた最初から読みたくなっちゃいました。どれもそのキャラらしさが出ていて本当に面白いです (2022年10月27日 1時) (レス) id: 2296c25889 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。亮介さんLoveなので、本当はこのキャラでの長編が読みたいですが、続きも楽しみです。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
フランス革命(プロフ) - 中学生バレバレで草。高校のテストこんな甘くねーよ (2019年7月29日 21時) (レス) id: 6067ba3fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年6月7日 16時