【小湊春市と風邪薬1《癒しの時編》】★ ページ26
今朝登校する時、私はコンビニで新発売のシュークリームを見かけた。
部活終わりに食べようと思って速攻で買い込み、待ちに待ったその時間。
いざかぶりつこうとした時、買い出しに向かう春市君が、私も何か買ってきて欲しいものがあるかと聞きに来てくれた。
春市君の優しさに感動した私は、シュークリームを半分に割って、春市君にも食べてもらうことにしたのだった。
「…あ…美味しい…」
少しビックリしたように私があげたシュークリームを見つめながら、春市君が言った。
「だよね!?これ結構当たりだよ!」
「そうですね…。どこかのケーキ屋さんとかで出てきそうな感じですね。」
「それそれ!」
私の正面でイスに座り、ニコッと笑いながら春市君が言うけど…感想がもはや女子だね…。
ってか、シュークリームを両手で持ってパクっとかじるその姿、動画撮っていいかな…。
「A先輩?どうかしました?」
「…小首を傾げる仕草がよくお似合い…」
「はい?」
「いや、何でもないよー。」
あはは、と笑ってそう言いながら、私もシュークリームを食べる。
春市君は少し不思議そうな顔をしてたけど、すぐ手元のシュークリームに視線を戻し、またパクン、とかじっていた。
あぁ…なんか…癒される…。
部活が終わってから甘いものが食べられるってだけでも幸せなのに、少し照れながらシュークリームをかじる春市君まで見られるなんて。
…と、私が幸せに浸りながら一人でニヤニヤしていた時、春市君が横を向いて、ケホッケホッと軽く咳き込んだ。
「あれ?もしかして風邪でもひいた?」
「あ、はい…。ちょっと昨日から咳とかくしゃみとか…。」
「えっ?大丈夫?風邪薬あるけど飲む?」
「大丈夫です。兄貴から貰った薬があるんで。」
「そう?なら、いいけど…。早く治るといいね。」
「はい。ありがとうございます。」
春市君は、やっぱり少し照れながらそう言った。
うむ。間違いなく可愛い。
「…あ…薬と言えば…この薬貰う時、兄貴が、もしかしたら副作用が出るかも、って言ってたっけ…」
「えっ?副作用?…眠気が強くなるとかじゃなくて?」
「詳しくは聞いてないんですけど…。今のところは特に感じてませんけどね。」
「ふーん…」
亮介から貰った薬。
副作用。
私はほんの少しだけ、イヤな予感がした。
そして、その予感が的中してしまうまで、そんなに時間はかからなかった。
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暇人 - フランス革命さん» ちゃんと読んでなくて草。中学生ではないネタ何個もあるのに。 (1月6日 11時) (レス) id: 9409c0bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
味塩 - すごく好みで面白かったです!!ギャグ夢大好きで、夢主のノリも理想通りで本当に最高でした…!全シリーズ読んだのですがまた最初から読みたくなっちゃいました。どれもそのキャラらしさが出ていて本当に面白いです (2022年10月27日 1時) (レス) id: 2296c25889 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。亮介さんLoveなので、本当はこのキャラでの長編が読みたいですが、続きも楽しみです。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
フランス革命(プロフ) - 中学生バレバレで草。高校のテストこんな甘くねーよ (2019年7月29日 21時) (レス) id: 6067ba3fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年6月7日 16時