【原田雅功と息抜き】★ ページ16
いつもより早めに練習が終わった、祝日の夕方。
のんびり部屋を片付けていたら、コンコンとノックされた。
「はい。」
ガチャッとドアを開けると…
「…は、原田君…?」
「すまない。鳴は…来てないか?」
稲実のキャプテンである原田君が、私服で立っていた。
「成宮君?今日は来てないよ?」
「…今日『は』ということは、何回か来たんだな…」
「えっ?あ、えーとぉ…」
「最近、土日や祝日になると、全体練習が終わった途端にロードワークや買い出しにいそいそと出掛けていくんだ。月原の事を気に入っていたから、ここじゃないかと…。」
…原田君…さすがは女房役。
成宮君の行動をしっかり読んでいらっしゃる…。
「うん…とりあえず、今日はほんとに来てないけど…せっかくだから、原田君ちょっと休憩してく?飲み物くらい出すよ?」
「…別に飲み物が欲しい訳ではないが…お言葉に甘えるとするか。」
そう言って、原田君は部屋に入ってきた。
「あ、その辺のイスに適当に座って。…今、麦茶しかないけど…」
「気にするな。」
私は麦茶をコップについで、原田君の前に置いた。
自分もコップを持って、原田君の前に座る。
「成宮君もだけど…稲実って、個性強いメンバー多そうだから、原田君大変なんじゃない?」
「まぁな。だが仕方ないさ。根はいいヤツらだしな。」
「いつもご苦労様です。」
「…労ってもらったのは初めてだな…」
少し照れたような顔で、原田君が私を見た。
「だって、原田君あっての稲実だもん。チームの要と言うか…」
「…月原、あまり誉めないでくれ。慣れてないんだ…。それに、月原も大変だろう?」
「私?」
「青道も、ウチに負けず劣らず個性派揃いのはずだ。」
「あぁ…まぁ確かに…元ヤン、ドS、スピッツ、天然、大食い、腹黒…この辺まではもう個人名いらないレベルだし。」
と言うと、原田君が横を向いてプッと吹き出した。
「あっ!今度試合する時、メンバー表にそう書いておこうか?1番、ショート、元ヤン…」
「やめてくれ。笑いが止まらなくなって試合にならん。」
原田君を笑わせたことに満足して、私はにっと笑った。
「…月原。大変そうだが…楽しそうだな。」
「原田君も…大変そうだけど、嫌じゃないみたいだね。」
目を合わせて、二人してフッと笑う。
「たまにはこういう時間もいいな。」
「また来てもいいよ?」
「…鳴のことを怒れなくなるな…」
珍しく、マネージャー室にまったりした時間が流れた。
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暇人 - フランス革命さん» ちゃんと読んでなくて草。中学生ではないネタ何個もあるのに。 (1月6日 11時) (レス) id: 9409c0bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
味塩 - すごく好みで面白かったです!!ギャグ夢大好きで、夢主のノリも理想通りで本当に最高でした…!全シリーズ読んだのですがまた最初から読みたくなっちゃいました。どれもそのキャラらしさが出ていて本当に面白いです (2022年10月27日 1時) (レス) id: 2296c25889 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。亮介さんLoveなので、本当はこのキャラでの長編が読みたいですが、続きも楽しみです。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
フランス革命(プロフ) - 中学生バレバレで草。高校のテストこんな甘くねーよ (2019年7月29日 21時) (レス) id: 6067ba3fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年6月7日 16時