【ダイヤのA】部活終了後のマネージャー室４《短編集》

【成宮＆御幸の場合・壱(6)】★下ネタ有(^^; ページ7

バッタアアァァン！！

「Aさーん！おっ待ったっせー！」

御幸に本命じゃないと必死で説明していたら、いつも通りドアを全開にしながら成宮君が入ってきた。
最初はニコニコ笑顔だったけど、御幸に気付くと途端に眉間に皺が寄る。

「げぇ…まぁた一也がいるしー。」

「だからなんでお前が来るんだよ…鳴…」

「いーじゃん別に。俺の勝手でしょー。」

ぷぅ、と頬を膨らませながらそう言った成宮君だったけど、御幸が持っているゼリーを見つけて訝しげな顔をした。

「…なにそれ？ゼリー？」

すると、御幸がニヤッと口角を持ち上げて人の悪そうな笑みを浮かべる。

「甘いもの苦手な俺のために、Aさんがわざわざ作ってくれた本命チョコならぬ本命ゼリー。」

「ちょ…！成宮君、嘘だからね！本命じゃなくてただの義理！」

慌てて御幸の言葉を否定すると、成宮君があっけらかんと言った。

「そりゃそうだよ。Aさんが一也に本命渡すワケないでしょ。だって…」

そこまで言うと、またニコッと満面の笑みを浮かべて続ける。

「Aさんの本命は、俺だもんね！」

「それも違う！」

「またまたぁ。そんな照れなくても♪」

「…成宮君…どっかの腹黒メガネと反応が一緒なんだけど…」

思わず額を押さえながら、私は言った。

「…つーか鳴、お前何しに来たんだよ？」

半分呆れたように御幸が聞くと、成宮君はきょとん、とした顔で答えた。

「何って…だから、Aさんの本命チョコ貰いに来たんだってば。」

「「…マジか…」」

私は思わず御幸と声を揃えて唸ってしまった。

何となくそんな気はしてたけど…本当にそのために…。

はぁ、とため息をつきながら、私は紙袋からチョコを取り出した。
もう、あれだ、さっさと渡してさっさと帰ってもらおう。

「…はい。どーぞ。」

「うっわ、やっりぃ！ねぇAさんっ、これってやっぱ本命…」

「じゃないから！」

「ちぇー。そこまで即答しなくてもいーじゃん。」

「勘違いされたら困るし！…っていうか、わざわざここまで来なくても、成宮君なら本命チョコいっぱい貰ってるでしょ？」

なんせ都のプリンスだからね…。
夏の甲子園で準優勝したチームのエースだし…。

「えー？そりゃまぁ…段ボール二箱分くらいはあったかなぁ…寮に送られてきたヤツも合わせると。」

「…どこのアイドルだ…」

ここに前園がいなくて良かった…。
いたらたぶん大暴れしてるよね…。
『神様は不公平やー！』とか何とか…。

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