【降谷&御幸の受難(1)】★ ページ45
「あぁ…まさかこんな日がくるなんて…」
じーん、と胸の前で手を組んで感動していると、隣に座っている亮介が得意気に片方の眉を上げた。
「感謝してよね。」
「わかってるってばー。ほんとにありがとうございます亮介様!」
「なんか薄っぺらいなぁ。」
「そんなことないって!でもさ、亮介も見たかったんでしょ?」
「そりゃあね。面白そうだし。」
ニコッと笑う亮介に、私もニンマリと笑みを返した。
事の発端は、例によって例の如く、唯と幸子のお騒がせコンビが、また変なコンテストを見つけてきたことだった。
今度のテーマは、『女装男子』。
やる気だけは有り余ってる唯と幸子だったけど、さすがに「女装してください」「はいわかりました」というわけにはいかなかったらしく、なんか良い作戦ないですか、と一週間くらい前に私に相談してきたのだった。
今回は私自身がターゲットになっていないことと、私も女装した誰かの姿を見てみたいと興味が湧いたこともあり、真剣に考えた結果、私が刺客に選んだのが亮介だった。
亮介自身にも女装をさせてみたい気持ちはあったけど、今回はとにかく説得役(脅し役)になってもらうことにして、概要を説明してみると…
『面白そうじゃん。』
ほぼ予想通り、ニヤリと笑ってそう言って快諾してくれた。
『どうせなら綺麗どころがいいよね。人選は任せてもらえる?俺にも色々都合があるから…握ってる材料とかさ。』
黒いオーラを纏いつつ「誰がいいかなぁ」なんて呟いてた亮介が、どんな交渉(脅し)をしたのかはわからないけど…
衣装とメイク道具と簡易照明まで持ち込んで、準備万端整えたこの部屋に今日現れたのは…いつも通りの降谷君と最大レベルの渋面を作った御幸だった。
「降谷君と御幸の女装…もう期待しかない…」
唯と幸子によってヘアメイクを施されている二人を待ちながら、くふふふ、と妖しい笑いを漏らした時。
「お待たせしましたぁー!まずは降谷君完成ー!」
衝立の向こうから満面の笑みの幸子が現れて、続いて出てきたのは…
「おおぉぉぉ!!」
「そうきたか…」
長いストレートの黒髪ウィッグをツインテールにし、ゴスロリテイストの入ったメイド服を着てメイクをされた降谷君だった。
目を強調する黒いアイメイクに真っ黒のリップ…。
膝上丈の、レース飾りのついたフリフリスカートから覗く黒タイツの細い足…。
なんだコレ妖しすぎる…!
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雪星(プロフ) - 椰子の実さん» 椰子の実さん、コメントありがとうございます!大好きと言ってもらえるだけで嬉しいのに、頻繁に読んでくださっているとは…!元々自分の息抜きで始めたある意味バカバカしい短編集ですが(^^;楽しんで書いてますので、また読んでやってくださいっ(≧▽≦) (2016年9月11日 22時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
椰子の実 - このシリーズが本当に大好きで大好きで、ほぼ毎日読んでる感あります(笑) (2016年9月11日 20時) (レス) id: 5b93e46beb (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 抹茶さん» 抹茶さん、コメありがとうございます!夢主は、制服の時は基本的に短パン装着してる設定です(^^;すぐ足が出る自覚があるので…(^^;たまに忘れてたりして、倉持や白河君がその場面に遭遇してラッキースケベが発動してます(^^; (2016年4月6日 23時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - この作品とっても面白いです(^^♪後、前々からずっと気になってた事があるんですが夢主ってよく回し蹴り?してますよね、この時パンツ丸見えになってないんですか?もし、見えてたら倉持達は見て見ぬふりをしているのですか? (2016年4月4日 23時) (レス) id: 301a2e1b49 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - あおあおさん» あおあおさん、はじめまして!コメありがとうございます!有り難いお言葉、嬉しいやら恥ずかしいやら…(≧▽≦)なるべく早く続編公開できるように頑張りますので、少々お待ちください(>_<) (2016年4月2日 22時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2016年1月27日 19時