【ダイヤのA】部活終了後のマネージャー室４《短編集》

【沢村栄純と伝言】 ページ24

※沢村視点
＿＿＿＿＿＿＿

「…じゃあ沢村君、Aに伝言お願いね。明日買い出しに行くときに、冷却スプレーとテーピングも買ってきてって…」

「お任せください！この沢村栄純、必ずやA先輩に伝えて参ります！」

「あ、あと、来客用の紅茶パックと茶菓子の詰め合わせもお願いしたいんだけど…」

「了解いたしやした！」

「…メモ書いておきましょうか？」

「心配御無用！」

こうして俺は、おっぱ…じゃない、高島先生から密命(でんごん)を受け、意気揚々とマネージャー室のA先輩の元へ向かっていた。
えーと、まず冷却スプレーと…

「あ、沢村ー！」

「へ？…あ、夏川先輩…」

「ねぇねぇ、沢村はダージリンとアールグレイ、どっちが好き？」

「だだだ、だーりん？」

「唯、沢村に聞いても無駄だって。」

「ちょ、ちょっと梅本先輩！それどーいう意味っすか！」

「だってさー、沢村が紅茶の種類知ってるわけないじゃん。イメージ的に。」

「ふぬっ…！」

「それもそうだね。」

「夏川先輩まで…！」

「ごめんね、沢村、呼び止めて。気にしないでいいよー。」

「いや、色んな意味で気にしますから！」

…という俺の叫びは無視して、夏川先輩と梅本先輩は「春市君あたりが無難かな」なんて言いながら歩いて行ってしまった。

なんなんだ…。
…え、ええい、まぁいい！
俺は今、この密命(でんごん)を果たさなければ！！
えーと、まずは冷却スプレーと…って、もう部屋着いたし！

バッタアアァァン！！

「A先輩ー！沢村栄純、密命を帯びて参りました！」

「…は？密命？」

怪訝な顔で振り返るA先輩に、俺は得意気に言った。

「おっぱ…じゃない、高島先生からの伝言っす！」

「…だったら普通に伝言って言いなさいよ…で？」

「えっと、明日買い出しに行くときに…」

まずは…

「冷却スプレーと…」

「うん。」

「あと…あれ？何だっけ…あの、グルグルするヤツ…」

「グルグル？」

「…あぁ！！そうだ、ドーピング！」

「…それ、ヤバいグルグルだよね…」

「あ、それと…」

あとは、あれだ、来客用の…

「ダーリンの詰め合わせ！！」

「…どこに売ってるのか教えてもらえるかな…」

…と、なぜかため息をつきながらA先輩が言った。
し、しまったあぁ！またしてもケアレスミスかあぁ！！

《番外編》【倉持洋一と買い出し】→←【御幸＆クリスと事故(2)】★

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