1009 ページ9
・
・
・
“でも、”と反論しようとする頃には目の前は閉まった扉で。
裕翔くんのことだから勝手に帰ることはないだろうし。
まだ乾燥機の中はぐるぐると回っているし。
私より、上着もなしで歩かせた裕翔くんのが…
・
・
・
・
と思ったけど、ポタポタと床に髪からの水滴が滴るのを見てやっぱりあったまろうと思った。
暗闇を歩いていたから気づかなかったのかもしれないけど、メイクもぐちゃぐちゃになっていた。
アイラインが黒く滲んでいる。
肌に張り付く冷たいブラウスも脱ぎ捨ててシャワーの蛇口を捻った。
・
・
・
・
先ほどまで浴びていた冷たい突き刺さるような雨と違って暖かい。
頭から被ったらさっきと全然違う温度差に泣きそうになった。
こんなに泣いたらまた目が腫れちゃう。
泣きたくて泣いてるんじゃないのに。
・
・
・
・
泣いたところで涼介も困るだけなのに。
不満なことなんてなにひとつない。
ただ、不安で仕方がない。
隣にいたいだけという細やかな願いさえも叶えてもらえない。
・
・
・
・
裕翔くんは私のあの言葉をどう思っただろう。
本来なら彼に言うべきことじゃないことを聞かされたりして、
私と涼介の問題なのはわかってるけど…
というより、私だけの問題なのかな。
・
・
・
・
A「…っ、」
裕翔くんならさっきのことは誰にも言わないよね。
でも、私と友達である前に涼介の方が長い付き合いだし。
もし、涼介に私があんな風に思ってることがバレたら今度こそ…
・
・
・
・
“終わりにしたい”
・
・
・
・
今度こそ面と向かってあんなこと言われたら…?
私は、どうすればいいの。
とりあえず裕翔くんには内緒にしておいて貰わなきゃ…
キュ、とシャワーの蛇口を止めて、お風呂場から出た。
・
・
・
3454人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)ほのか(プロフ) - 何回も読んでしまいました!!続編を読みたいです!続きを書いてもらえたら嬉しいです!! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 05b75f334f (このIDを非表示/違反報告)
rooose - すごく面白くて何回も何回も最初から読み直してます(T_T)!番外編など続きが読みたいです(T_T) (2018年6月10日 9時) (レス) id: 27a91521b6 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - 毎日毎日帰ってきて読むのが楽しみで仕方がなかったです!嫌なことがあっても、この作品を読んでいつもキュンキュンしていて、嫌なことも忘れていました!本当にありがとうございま (2018年4月23日 21時) (レス) id: f7957228ff (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - すごく面白かったです!! 3日で全部読みました(笑) できれば続編作ってほしいですっ (2018年4月3日 13時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - できればの話なんですか、式の事とか、新婚生活の話などを読みたいです!続編希望します!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 3788a9712e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2018年3月11日 10時