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俺の足音に振り返った長身の男の正体は。
ヒーターに当たっていたのか立ち上がって歩み寄ってくる。
涼介「裕翔くん?」
裕翔「お邪魔してます。」
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ふっと口元を緩めて笑った裕翔くんが慣れた手つきでカップを取り出した。
裕翔「急に雨に降られちゃってさ。…やまちゃんは大丈夫そうだけど。」
涼介「ああ…」
コト、と湯気の立つカップが目の前に。
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裕翔「Aちゃんと偶然会って。傘がなくて困ってたから。」
涼介「…Aは?」
目線で示す裕翔くんの視線の先から、シャワーの音が聞こえる。
涼介「そう。」
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スーツを脱いでハンガーにかけた。
…なんで裕翔くん。
いや、だから傘がないって…
裕翔「Aちゃん、俺のこと男だと思ってないよね。」
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涼介「…。」
静寂した部屋に響く裕翔くんの声。
裕翔「警戒とかなしに部屋にあげてくれるし、すぐ泣いちゃうし。」
涼介「は…?泣いてたの?」
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解いたネクタイをベッドの上に放り投げて。
涼介「なんで、」
腕を引っ張ったからか、裕翔くんが畳んでいたタオルが散らばった。
裕翔「なんで?…心当たりあるだろ。」
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心当たり?そんなのあったらとっくに…
裕翔「なにその顔。」
ハッ、と鼻で笑われたような、立ち上がった裕翔くんが見下ろす。
裕翔「泣かせてるのはやまちゃんでしょ?」
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俺…?泣かせた覚えなんてない。
影で隠れて泣いてんの?俺にはバレないように?
裕翔くんの前では泣くくせに…?
裕翔「もうどうしたらいいかわからないんだって。」
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涼介「え…?」
落ちたタオルを拾い上げて椅子にかけた。
裕翔「あの子はもうやまちゃんの隣にいちゃいけないと思ってるよ。」
テーブルの端に置いてあった携帯をポケットにしまう。
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涼介「どうして、」
裕翔「そんなことまで俺が教えるの?」
急に戯けたように笑って見せるから少しイラっとした。
涼介「…裕翔くん、もう帰っていいよ。」
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(名前)ほのか(プロフ) - 何回も読んでしまいました!!続編を読みたいです!続きを書いてもらえたら嬉しいです!! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 05b75f334f (このIDを非表示/違反報告)
rooose - すごく面白くて何回も何回も最初から読み直してます(T_T)!番外編など続きが読みたいです(T_T) (2018年6月10日 9時) (レス) id: 27a91521b6 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - 毎日毎日帰ってきて読むのが楽しみで仕方がなかったです!嫌なことがあっても、この作品を読んでいつもキュンキュンしていて、嫌なことも忘れていました!本当にありがとうございま (2018年4月23日 21時) (レス) id: f7957228ff (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - すごく面白かったです!! 3日で全部読みました(笑) できれば続編作ってほしいですっ (2018年4月3日 13時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - できればの話なんですか、式の事とか、新婚生活の話などを読みたいです!続編希望します!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 3788a9712e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2018年3月11日 10時