1011 ページ11
・
・
・
作戦は上手くいったのか｡
話を一通り聞いた彼女のお父様｡所謂社長はダン！と床を踏む｡
涼介｢…えっ､｣
｢よくも…うちの娘を誑かしたな…！」
･
･
･
･
誑かしては､いないんですけど…？
振り翳した杖が横に飾ってあった壺かなんかに当たってガシャガシャと音を立てて破壊される｡
涼介｢いや、あの、すいません…｣
鬼の形相で俺を捉えるから怖くて顔が上がらない｡
･
･
･
･
なんで俺頭下げてるんだろう｡
紅羽さんを誑かしたから？…してねえし｡
騙してるからか｡
とりあえず謝っておいて損はないだろ｡
･
･
･
･
怒り散らした社長が疲れたのか椅子に腰掛ける｡
秘書の方が気を利かして扉を開けたのでその隙に逃げるように出た｡
紅羽｢すいません…父がやりたい放題で…｣
涼介｢いや､…無事終わってなにより｡｣
･
･
･
･
紅羽｢でも…聞きました？」
涼介｢なにを｡｣
紅羽｢見合いの話はなしだー！と言ってました！」
涼介｢ほんとに？！やった！」
･
･
･
･
ぶっちゃけ怒り狂っててなに言ってたかわかんなかったんだけど｡
無事終わったのでもう紅羽さんに会うこともないし｡
こんな面倒なことももうしなくて済むようになるだろうし｡
色々お世話になりました､と頭を下げた彼女と別れて会社に戻った｡
･
･
･
･
涼介｢…ってことがあったわけ｡やっぱ行かなきゃよかったよ｡｣
｢私なら真っ先にその案が浮かびますが｡｣
涼介｢あ､そう？じゃあお前に電話すりゃこんな時間かかることもなかったな｡｣
お出迎えしてくれた俺の秘書が頭を下げた｡
･
･
･
･
あのめんどくさい親娘のせいで俺の今日のスケジュールが大幅に狂った｡
駐車場へ車を取りに行く頃には外はザアザアと雨が降っている｡
雨のせいで視界が悪い夜道を走って所々電気がついている家に帰宅した｡
傘なんて持ってないから家の前の傘立てに知らない傘があることなんて気がつかなかった｡
･
･
･
･
鍵を差し込んだら開いていたドアに不審に思いながら｡
玄関に濡れた痕跡と黒い靴｡
明かりの漏れるリビングに入る｡
おかえり､と低い声が耳に届いた｡
･
･
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3454人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)ほのか(プロフ) - 何回も読んでしまいました！！続編を読みたいです！続きを書いてもらえたら嬉しいです！！ (2018年9月10日 7時) (
レス) id: 05b75f334f (このIDを非表示/違反報告)
rooose - すごく面白くて何回も何回も最初から読み直してます(T_T)！番外編など続きが読みたいです(T_T) (2018年6月10日 9時) (レス) id: 27a91521b6 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - 毎日毎日帰ってきて読むのが楽しみで仕方がなかったです！嫌なことがあっても、この作品を読んでいつもキュンキュンしていて、嫌なことも忘れていました！本当にありがとうございま (2018年4月23日 21時) (レス) id: f7957228ff (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - すごく面白かったです!! ３日で全部読みました(笑) できれば続編作ってほしいですっ (2018年4月3日 13時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - できればの話なんですか、式の事とか、新婚生活の話などを読みたいです！続編希望します！！ (2018年3月29日 21時) (レス) id: 3788a9712e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あすみ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時：2018年3月11日 10時
