1001 *Ryosuke* ページ1
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ミディアムヘアの黒に近い髪が肩で揺れる。
クス、と口元に手を当てて笑う俺の見合い相手。
いや、見合いなんて受けるわけがないし別にそんな相手でもないのだが。
俺がいない場でなにがあったんだと思うくらい話が進んでいる。
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涼介「いや、あの…、大変光栄なんですけど実は僕、」
「…けど?何か都合の悪いことでも?」
涼介「えっ、いや…、」
全く光栄じゃないうえに都合の悪いことだらけだよ!と言ってしまいたい。
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が、言ったら契約が切られる可能性があるのでそんなことは言えない。
涼介「そんなの、あるわけないじゃないですか。」
ははっと笑った頬の筋肉が引きつりそう。
しまった。どうすりゃいいんだ。
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ぐるぐると必死になって破談に持ち込むように考えるがちっとも浮かばない。
このままじゃトントン拍子に進んでしまうんじゃないかとヒヤヒヤする。
急に席を立った目の前の得意先のおじさんにビク、と肩を揺らした。
涼介「あの、どちらへ?」
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仕事があるから、と帰り支度をするのでラッキーと心の中でガッツポーズをしたのも束の間。
「じゃあ
涼介「えっ…?!」
紅羽と呼ばれたこの人とは一瞬目が合って超気まずい。
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涼介「あ、俺も…」
仕事に戻らなきゃ、と言いかけたのに目の前の紅羽さんって人に遮られた。
紅羽「待ってください!」
涼介「え?いや、俺もう行かなきゃ…」
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俺の勘は冴えている。
ここではいはいと呼び止められたら流されるままに縁談に持ち込まれてしまう。
一度経験したんだから嫌ってほどわかる。
紅羽「お願いです!話だけでも…!」
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涼介「お言葉ですけど、俺あなたとは、」
結婚する気なんてないのだから見合いとか言ってる場合じゃないんだよ。
紅羽「私もあなたと結婚なんてする気は無いです!」
バンッと叩かれたテーブルの音が個室に響き渡る。
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我に返ったように慌てて頭を下げる。
それより結婚する気はないって。
涼介「はっ…?」
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(名前)ほのか(プロフ) - 何回も読んでしまいました!!続編を読みたいです!続きを書いてもらえたら嬉しいです!! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 05b75f334f (このIDを非表示/違反報告)
rooose - すごく面白くて何回も何回も最初から読み直してます(T_T)!番外編など続きが読みたいです(T_T) (2018年6月10日 9時) (レス) id: 27a91521b6 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - 毎日毎日帰ってきて読むのが楽しみで仕方がなかったです!嫌なことがあっても、この作品を読んでいつもキュンキュンしていて、嫌なことも忘れていました!本当にありがとうございま (2018年4月23日 21時) (レス) id: f7957228ff (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - すごく面白かったです!! 3日で全部読みました(笑) できれば続編作ってほしいですっ (2018年4月3日 13時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - できればの話なんですか、式の事とか、新婚生活の話などを読みたいです!続編希望します!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 3788a9712e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2018年3月11日 10時