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おしまい。 ページ9

「ハアッ……ハアッ」

男は夜の山道を走っていた。

深くフードをかぶって、ポケットに忍ばせたライターを握りしめ、逃げ惑う。

背後から彼の後を追うは、金髪をなびかせ歩くフランス人形。
 
「くそ……ッなんなんだよあの人形!意味わかんねえ!放火しまくったバチでも当たったか?」
 

男はときおり振り返りつつ走りながら、恐怖を押し殺すためわざと去勢を張った独り言を吐く。

深夜の森の中はすっかり暗く足元が見えない。

いつまで逃げればいいのだ、男が足をとめずにそう疑問を浮かべた、次の瞬間。
 

「…………――――うわああああああ!」
 

男の足を置いたその場所に、地は存在しなかった。

走り抜けたその先は底の見えない崖だったのだ。


男は状況を把握しきれぬまま、その叫び声ごと深い深い暗闇にのまれていった。
 

ひゅう……
 

強く風が吹いている。



崖の下を見下ろした人形は、口元をゆがめて、ただただその場に立ち尽くしていた。

 

あとがき。→←そのはち。



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設定タグ:オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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退屈な日常。(プロフ) - 途中で泣いてしまった...っ(´;ω;`) 文才分けてくださ(( (2014年10月1日 18時) (レス) id: 62c9b4f07d (このIDを非表示/違反報告)
8927(プロフ) - 文章力ヤバイですね!思わず引き込まれてしまいました。最後はハッピーエンド(?)でよかったです! (2014年7月2日 22時) (レス) id: 7fc28f0c24 (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - ペンタブでしたかっそうですよねっ、ペンタブなら上手な方ですよ!(笑)イラストのうまさでカバーできてますw (2014年6月10日 22時) (レス) id: ae5c5ba8de (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - いおんさん» 絵がうますぎですっ((((;゚Д゚))))神ですねっっヽ(゚∀。)ノ (2014年6月10日 19時) (レス) id: d2f212b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お人形がおばあちゃんで守ってくれてたって終わり方が好きです♪素敵なホラーありがとうございます☆ (2014年6月10日 9時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いおん | 作者ホームページ:ないです  
作成日時:2014年5月28日 22時

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