そのなな。 ページ7
……。
…………。
次の瞬間、辺りにあったのは静けさだけだった。
「…………?」
耳に届く音も、体のどこかに触れられた感触もない。
芽衣は恐る恐る目を開ける。
あたりを見回す。
「……あ、れ?」
芽衣の視界に人形の姿はなかった。
先ほどまで目前に迫っていたはずの人形は、その場から跡形もなく姿を消していたのだ。
芽衣は怪訝に想いながらもなんとか助かったと安堵し、すでに暗くなり始めた空のもと、家路を急いだ。
家の前で芽衣は驚愕を隠せずに、呆然と立ち尽くしていた。
激しく燃え上がる赤が、芽衣の顔を照らしている。
ボウッ……
燃えていたのだ、家が。
激しく音を立てて炎に崩れていく我が家を、芽衣はただただ呆然と見上げていた。
消防車のサイレンと、放水の音と、野次馬のざわめきが聞こえる。
「芽衣!」
芽衣を見つけ駆けてきた母は、勢いよく芽衣を両腕で包み込んだ。
「おかあさ、……」
「よかった!本当に……よかった!」
「お母さん、どうしてお家が……」
涙ぐむ母に対して芽衣は状況をのみこめずにぼんやりとしたまま言葉をつむぐ。
「どうしてかは私にも分からないわ。私も買い物に行っていて、さっき帰ってきたところなの。でも安心したわ……お父さんも仕事からまだ帰っていないし、みんな無事ね」
「そう……なんだ……」
消防車の放水が激しくなる。家を覆った炎はみるみるうちに小さくなっていく。
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退屈な日常。(プロフ) - 途中で泣いてしまった...っ(´;ω;`) 文才分けてくださ(( (2014年10月1日 18時) (レス) id: 62c9b4f07d (このIDを非表示/違反報告)
8927(プロフ) - 文章力ヤバイですね!思わず引き込まれてしまいました。最後はハッピーエンド(?)でよかったです! (2014年7月2日 22時) (レス) id: 7fc28f0c24 (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - ペンタブでしたかっそうですよねっ、ペンタブなら上手な方ですよ!(笑)イラストのうまさでカバーできてますw (2014年6月10日 22時) (レス) id: ae5c5ba8de (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - いおんさん» 絵がうますぎですっ((((;゚Д゚))))神ですねっっヽ(゚∀。)ノ (2014年6月10日 19時) (レス) id: d2f212b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お人形がおばあちゃんで守ってくれてたって終わり方が好きです♪素敵なホラーありがとうございます☆ (2014年6月10日 9時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
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