登校5日目・媚び?ファン?それとも… ページ12
「日時、場所、その他詳細についてはメールで随時送らせて頂きますのでよろしくお願い致します。また、質問、疑問等ございましたらメールにS会のアドレスを載せておきますのでそちらにお送りください。それでは、本日のS会からのお知らせは以上になります。」
「ここまでご清聴頂きありがとうございました。」
阿部先輩の発言の後、締めの言葉を岩本先輩が言うと中央にいる6人は頭を下げた。
深澤先輩も初期メンバーの5人と並んでいるということは、彼もS会初期メンバーなのだろう。
中央に立つ6人のメンバーがステージからはけていくと、席を立つ来賓の方々。
手に荷物を持っているので、帰るのかな?
「おいっ、お前声掛けてこいよっ」
「なんで俺がっ……そんな言うならお前が...」
「あ、あの!ファンなんですがこの後お時間ってありますか?」
複数の生徒が大人たちに声をかけていた。
ただのファンなのか、もしくは...
「あれ、媚び売ってるん?」
「ただのファンじゃないの?」
「いや。もしかしたらオーディション内容聞き出そうとしてる可能性もあるよね...」
そんな生徒たちを見たこーじくんと目黒くんは彼らに聞こえないようにコソコソと話す。
そんな2人の言葉が聞こえたのか、冷静なラウールくんが可能性のひとつを提示した。
「もしそうだとしたら、相当な馬鹿だね〜。さっ、とりあえずそのオーディションについて作戦会議しますか〜」
「そうだねー」
さっきあれほど"違反や不正"するなって釘刺されたのに...
見ていて馬鹿馬鹿しくなった僕はまだヒソヒソと話す2人を他所に、ラウールくんと出口に向かって歩き出す。
「まって!天使さん!」
「おいていかんとってー!」
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作者名:塩おにぎり | 作成日時:2023年5月17日 10時