〈 03 〉 ページ3
＊03＊
令くんは、だいぶ昔に１度だけ、万引きに失敗ひて捕まったことがある。
勿論、ママの命令で強制的にやらされての事だけど。
だから、令くんや私達の引き取り先がママだって事、
警察には知られていた。
『昨夜未明、山奥で男性の白骨化した遺体が＿＿＿＿』
立ち寄ったヤ○ダ電機にて、私達の事がニュースになっている事を知った。
「……」
百発百中、これは令くんの事。
実は、この件に関して私は何も知らなかった。
あの日、
息をしていない令くんを見ただけで、ずっと部屋に籠っていたから。
だから、私が殺人罪で問われる必要は無いはずなんだけど…
あの人達の事だから、どうせ私も道連れに…
" A… "
" お前は…お前だけは "
" アイツらみたいにはなるなよ… "
「令くん…」
ここで帰ったら、あの人達と同じ罪で私は捕まってしまう。
令くんを殺した罪を、無理矢理きせられて。
" 俺さ、獣医になりたいんだ "
" 動物好きだし… "
" 難しいけど、大学にも行きたいんだよな "
" Aは、夢とかあるのか？ "
夢…
夢なんて、今はない。
だけど、
あの人達と同じになるのは、もう嫌だ。
同じ犯罪者扱いなんて、絶対に…
だから、私は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ちょっと、君。」
「＿＿＿＿＿！！」
警察の人…
「確認したいことが…」
「……」
もう、捕まるの？
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 逃げなきゃ。
「ッ…！」
「あっ…！待て！」
令くんを殺した罪で捕まりたくない…
あの人達と同じ扱いを受けたくない。
私も、令くんみたいに夢を見つけたい。
「風見です、逃げられました…！女の子を追っています！」
.
「ﾊｧ…ﾊｧ…」
昔から、逃げ足だけは速かった。
「ﾊｧ…も…無理…ﾊｧ…」
それでも、限界はすぐに来た。
きっと警察は、そんな私をいとも簡単に見つけ出してくるだろう。
日本の警察が優秀だって事は、よく知っている。
諦めて、捕まるしかないのかな…
それとも、いっそ…
夕暮れの都会を、歩道橋の上から眺める。
「わぁ…」
夕日、綺麗だな…
ここで死ねるなら悪くない。
お母さん、お父さん…
令くん…
私、もう限界です。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
juno108(プロフ) - とっても面白いです!続きがすごく気になります！ (2020年5月20日 13時) (
レス) id: 73960369a7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 70b86fd223 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴこ | 作成日時：2019年1月13日 2時
