〈 04 〉 ページ15
＊04＊
私の部屋に、新品のベッドが投入された。
「フカフカ…」
秘かにずっと憧れていたから、降谷さんが買ってくれた時はすごく嬉しかった。
また１つ、恩が増えた。
『♪』
ベッドで意味もなくゴロゴロしていると、
降谷さんからのLIMEが届いた。
降谷 零悪いが帰り、21時になる。
降谷 零夕飯は作るから、先に風呂に入って待っていてくれ。
「…はーい」
意味もなく、一人言を呟いた。
ちゃんと返信しなきゃ、わからないのに。
Aわかりました。
ポンッと送ると、素早く既読がついた。
それからの返信はない。
「大変だな…」
保護という形で一緒に暮らしていくうちに、
降谷さんが本当に警察官で(それも結構上の方の人)、
休日も祝日も関係ないほど忙しいというのがリアルに伝わってくる。
そんな中帰宅して、美味しいご飯作ってくれるんだから…
本当に感謝しないといけないな。
２つ増えちゃったよ、恩が。
『♪』
「えっ？」
また、降谷さん？
…まあ、私にLIMEを送る人なんて他にいないけど。
降谷 零ハロの世話も、よろしく頼む。
「はは…」
言われなくても、いつもしてますよ。
Aわかってまし
……あ、
Aますよ。
間違って変な風送っちゃった…
絶対に降谷さん、呆れて笑って…
「えっ…」
降谷 零ありがとう。
わわ…珍しく返信が来た。
それも「ありがとう」って…
いつも私が降谷さんに思ってる言葉だよ。
「……」
胸がじわっと熱くなる。
他愛もないメッセージのやりとり(ましてや只の業務連絡)が、
私にとっては温かいもの。
こういうのも、実は憧れだった。
夢。
令くんみたいにはっきりとはしていないけど
こういう小さな憧れ１つひとつが、
私の小さな夢であって
降谷さんがそれを叶えてくれる。
「恩が多すぎる…」
大切な恩を、いつか返すことが出来るように
忘れないように、
その度ごとに、書き出そう。
歩道橋で引き上げてくれた
家で保護してくれた
オムライスが美味しかった
ベッドを買ってくれた
LIME
「……多いな」
このノート1冊じゃ足りなかったら、
また次も、買おう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
juno108(プロフ) - とっても面白いです!続きがすごく気になります！ (2020年5月20日 13時) (
レス) id: 73960369a7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 70b86fd223 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴこ | 作成日時：2019年1月13日 2時
