【名探偵コナン】ラプソディー3【警察学校組】

見慣れたのは病室の天井 ページ2

――――鼻をつく薬品のニオイ


―――――微かに聞こえていた心電図の音が徐々にクリアになる





Aは深い眠りから目覚め重たい瞼を上げる




視界はボヤけてよく見えない



Aは今自分が置かれている状況を考えた





『(伊達さんをトラックから守って………)』



自分が轢かれた……




これは現実だったのか夢なのか…………




身体は気だるくて痛みはあるが、感覚が鈍くてトラックに轢かれたからなのか否かもわからない




『(けど、ここは病院)』




視界もクリアになり白い天井とカーテンが目に映り3度目ともなれば病院だということがすぐに理解できた






ナ「…………A、ちゃん？」



名前を呼ばれた方を見ればナタリーが口を押さえて立っていた




『ぁ………』



Aは声を出そうとするが酷くのどが乾いて上手く発声ができない





ナ「……っ、よかった………！！」


ナタリーは涙を浮かべて医者を呼んで来るから、と病室から出ていく。




それからナタリーは医者と看護師を連れてきた



医「Aさん、ここが何処だがわかりますか？」


わかればゆっくり瞬きを二回してください、と医者に何回か指示を受けAはそれに従う




医「…ふむ、脳に障害は診られないですね」



あとは精密検査をして異常がないか調べましょう、と医者は言い絶対安静するよう告げて病室を後にした



ナタリーはずっと良かった良かったと涙を流しながらAの手を握る




どうやらAは伊達を庇って事故に遭い、1ヶ月間意識が戻らなかったらしい



『ナ、タリーさん…………』


泣かないで、とか細い声でAはナタリーの手を握り返す。



それに、助けて良かったとナタリーの左の薬指の指輪を見てAは微笑んだ

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