EP.66 ページ18
ラウールside
僕が中学校に入学してからまだ一週間ぐらいしか経ってない時の話
学校案内があったり授業の説明があったり、いろんな教材が配られたり
そんな入学したばっかりの時特有の活動が終わって通常の生活になる頃、あみちゃんが僕を探して教室にきた
その時はもちろん、一回だけ委員会の集まりで見かけた先輩のことなんて覚えてるはずもなくてあみちゃんが探してるのが僕だなんて思いもしなかった
『環境委員会の背の高い子知らない?あのー、名前が思い出せなくって…。確かこのクラスのはずなんだけど、』
ドアの近くにいたクラスメイトに必死に問いかけてるのをぼーっと眺めてただけ
自分が環境委員会ってことも正直よく覚えてなかったもん
あまりの委員会になっただけだったから
『背が高くて顔の整った男の子!伝わるかな、、、』
名前覚えて来ればよかった、って頭を抱える姿にちょっと笑っちゃったりなんかして
「もしかしてラウールくんですか?」
あみちゃんに聞かれてた子が僕の名前を打った時は結構ドキッとした
俺のことだったの!?って
でも冷静に考えてみたら環境委員会だし、じゃんけんに負けたせいで学年リーダーになってたから探されててもおかしくない
ラウ「すみません!僕のことですよね、」
慌ててあみちゃんの方に行ったら安心したような顔で
『そう!ラウールくん!!』
って名前を呼んだんだ
この時の僕は、“ハーフ“ってことがみんなとのすごい大きい違いに感じて嫌だった
友達に「どことのハーフなの」って聞かれることも、
入学したばっかりで名前を覚えてない先生が「ハーフの子」って僕のことを呼ぶのも全部嫌だった
今となっては大切な個性だし、むしろ好きな部分だけどその頃の僕は子供だったんだと思う
ラウ「ハーフの子って言ってくれればすぐ伝わったと思いますけど」
自分の気持ちを隠そうともしないで嫌味のように言っちゃったのを覚えてる
でも、そんな言葉に対してもあみちゃんは笑顔のまま
『それは思い浮かばなかったなぁ。でももういいの、ラウールくんって名前覚えたから!』
って言った
僕の言葉を嫌味としてすら受け取ってなかったんっじゃないかって思う
この時、周りとの違いを気にしてる自分のことをバカらしく感じたんだ
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琉衣(プロフ) - 初めまして読ませて頂きました!ハマってしまって何回も読んでます! (2023年1月28日 19時) (レス) @page39 id: d7ec384554 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作成日時:2022年12月8日 21時