検索窓
今日:15 hit、昨日:22 hit、合計:129,322 hit

EP.43 ページ44

あみside





体育祭が始まって早数時間



気づけば午前中最後の競技、私の唯一の出番である借り物競走




「位置について、よーい、、、ドン!!!」




スタートの合図とともに走り出したものの、お気づきの通り運動神経悪めの人たちが集まったこの競技はあんまりスピード感がない



でも、そこを補うように毎年“借り物“のお題で盛り上がるの



赤色の物、とか普通のものから定番の「好きな人」系まで



まぁそんなものは稀で滅多に出ないらしいけど



気持程度に置いてある障害物を乗り越えていよいよお題箱



ま、どうせ普通なのしか出ないよ



紙を引けば、そこに書いてあるのは




“仲のいい異性“




『、、、 微妙だなぁ』




決して普通で無難とも言えないけど、好きな人ほど振り切ってるわけでもない



これ、ぬるっと終わるやつだ絶対





『仲の良い異性か』





頭に浮かんだのはめめと康二



もちろんめめは却下なわけだから、康二一択なんだけども



ちらっと頭に浮かんだ天使みたいな笑顔をなんとか打ち消して康二の方に向かった





『康二!きて!』



向井「俺!?」



『そう!早く!』



向井「分かった、分かったすぐ行く!」






康二の周りはちょっと騒がしくなる



そりゃそうか、康二もモテモテな人間だもんね





「お題何!!??」



『仲のいい異性!!!』




多分クラスの子から飛んできた質問に叫んで返したらちらほら納得する声




向井「お待たせ!そやな、俺ら仲良しやもんな!」



『.……ちょっっっとうざいわ』



向井「なんなん!急いできたんのに!」



『笑笑 ありがと、いこ』




3年生の集まってるところを通り抜けて2年生、1年生の前を走ってゴールに向かってると横から聞こえた叫び声




「あみちゃんのお題何!!!!!」




声の主はもちろんラウールくん



ちらっと横を見たら集団から飛び抜けた顔がちょっと不満そう




向井「仲のいい異性やって!!!」




体力のない私がバテてきてるのを見かねてなのか康二が叫び返してくれた





ラウ「それ僕でも良くない!?」



『え?』



向井「交代する!?」



ラウ「いいの!!!」



『えぇ!?』





“村田選手、異例のペア入れ替えです!“



なんて放送で言われてるし



私の焦った声は届かず、コースを離脱していく康二を見送るしかなかった

EP.44→←EP.42



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (172 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
682人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あすみ | 作成日時:2022年10月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。