EP.2 ページ3
あみside
キーンコーンカーンコーン…
4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響く
新学年が初まってすぐの授業なんて、3年になってもさせられる自己紹介だとかクラスの役員を決めたりだとか、正直楽なものばっかり
これ、明日からの通常授業が嫌になるやつだなーなんて思いながらお弁当を取り出す
普段なら席を移動してらいむと食べるんだけど、今年の担任の先生が
「この一週間は自分の席で食べて周りの人と親交を深めましょう」
なんてちょっぴり迷惑なことを言ったからここで食べるしかないんだもん
私たちは小学生か!って突っ込みたくはなったけど、蓮と康二と話せないわけではないし一週間ぐらい我慢するかって思って気持ちを落ち着けた
ただ、蓮と康二は私のことなんて気にしない
康二は後ろを向いて私の机にお弁当を置き、蓮と会話
その会話に突然巻き込まれたりするから気は抜いてられない
向井「なぁめめ話聞いてる?」
目黒「聞いてるよ」
向井「あみちゃん、めめ返事遅いと思わへん?」
『食べてる途中の蓮に話しかけるのが間違いだよ。だってこの人一つのことしかできないもん』
目黒「当たり」
向井「結構やばいでそれ」
『仲良さそうで何より』
クラスの大体が食べ終われば暗黙の了解のようにみんなが席の移動を始める
私だって例外じゃない
私の席に康二が座って、康二の席に私が座る
らいむは新学期早々、委員会の先生に呼び出されて不在
別に寂しいとかじゃないけど、なんとなく机に突っ伏して窓の外を眺めた
決して頭がいいとは言えないこの高校
中学校の時は学年で上位を取るくらいには勉強に力を入れてたけど、将来の目標を考えたら両親にこの高校を勧められた
「頭のいい学校に行っても良い大学を受験するように説得される可能性が高いから、ここに行ったら?」って
親としては良い高校からいい大学に行って欲しい人が多いんじゃないかんーって思うけど、私の夢を全力で応援してくれる両親には感謝しかないなー
って私、なんでこんな感傷に浸ってんだろ
ちょっと変な感じになって体を起こした瞬間、私はもう一度机に突っ伏すことになる
「めめー!!!会いにきた!僕も高校生になったよ!」
後ろのドアから元気よく入ってきた男の子
赤色のピカピカのスリッパは新入生であることの証
てかこの子、あの子だよね…?
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作者名:あすみ | 作成日時:2022年10月9日 23時