天使が重すぎる (ページ16)

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EP.15 ページ16

あみside

「村田ー、ちょっといい？」

放課後、学校に残っててもやることのない私はさっさと帰ってしまおうって昇降口に向かってる途中に間延びした声に呼び止められた

『阿部ちゃん。どーしたの』

阿部「こら、阿部ちゃんじゃなくて阿部先生な？」

『はーい』

阿部「絶対直す気ないだろ」

『、、、どうしたの？』

阿部「お前なぁ笑これ、運んでもらおうと思って」

阿部ちゃんの指差す先には大量のテキスト

『えー、重そうじゃん！』

阿部「重いとは思う、新しく使うテキストが今届いたんだもんしょうがないじゃん？」

『あざとっ』

阿部「どこがだよ」

どこがって？

しょうがないじゃん？って言いながら首を傾けるところとかです。

阿部「ってことでよろしく！」

『え！先生いっちゃうの？』

阿部「俺今から会議なの。ごめんね」

『なんで私に頼むのこれ！』

阿部「自分が何係か言ってみ？」

『…化学』

阿部「俺は何の先生で、これは何のテキスト？」

『化学の先生で化学のテキスト』

阿部「よし、頼んだ。化学準備室までよろしく」

『鬼だ。』

目の前にはクラス分のテキストがざっと40冊

『重たっ！』

試しに十冊持ってみたら予想外の重さ

これ5冊ずつぐらいに分けないと化学準備室になんて持っていけないわ

放課後の学校に残ってるのは部活生ばっかりで手伝いを頼めそうな人なんて誰もいない

『あー、めんどくさ』

こんなこと言ってても終わらない

8往復、キツイけどやるしかないか

『ほっ！！！』

持ってたスクバを床に投げて5冊のテキストを持って立ち上がる

待って、化学準備室って3階だよね？

ここ一階なんですけど！！！

階段2階分8往復なんて運動不足の私にとっては拷問だよ、、、