【募集企画】柞吹学園【小説】 (ページ9)

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第9話【問題の問題】白鳥絵留視点ページ9

「全員集まったね……よし、資料配るね～」

生徒会長の裕太先輩が手早く資料を配る。
資料には【能力披露注意事項】【クイズ大会問題集】と大きな字で書かれていた。

能力披露については、とりあえず物を壊さなければOK。
自己紹介ついでに生徒会のメンバー1人ずつ披露していく予定である。

次は、普通にクイズ大会の問題が書かれている。
普通はありえないのだが、これが生徒会にとって普通のことなのだ。

なぜかというと、先に問題を見て答えを考えておいて、本番をスムーズに進めるため。

僕は、可愛らしく両手で受け取り問題に目を通す。
基本的には、生徒会メンバーから1人二問ずつ。各部長から一問ずつ。
といった構成になっている。
内容は、もちろんその人の性格がわかるもの。考えたのは生徒会のメンバーだ。
他の皆も一応目を通している。
紙をめくっていると、僕の名前を発見した。

『生徒会議長の白鳥絵留くん。彼の腹黒さは』

ビュオッ

「絵留……アンタ何してんの」
「ちょっと手が滑って
小型の竜巻を発生させて資料の僕の問題の部分だけを紙くずにしちゃった♪」

テヘペロ☆とわざとらしく舌を出す。
うっかりみたいな感じにしてるけど、けっこう難しい技なんだよ？

「で……これ考えたの、誰？」

話を変えて、けっこう低めのトーンで言う。
力を込めすぎたあまり、持っていたぬいぐるみの首を思いっきり締めてしまった。
全員一緒に生徒会の人たちの目がすっと逸らされる。
多分、これ以上やっても意味はないだろう。
……しょうがない。諦めるとするか。

「ま、いいや。もっと僕らしいのにしてくださいねっ」
「え、僕？」

じーっと裕太先輩を見つめると、控えめに頷いてくれた。
とりあえず問題はないだろう。
他のメンバーの問題はちょっとだけ見て、資料を机に置く。

「じゃあ、もう一回だけ順番を確認して……」

話は適当に聞き流して、僕はぬいぐるみの中にあるお菓子を食べていた。