【募集企画】柞吹学園【小説】 (ページ39)

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第39話【それから色々】西園寺椿視点ページ39

『とゆーことで、能力披露の場は終わりでーすっ！次は……えーっと、10分休憩の後に生徒会＆各部の部長によるクイズ大会でぃっす！』

言い終えると、生徒が騒ぎ出した。
体育館から漂う緊張感から解放されたのだろう、皆雑談を始めている。
あたしはマイクを元の位置に戻して、歩き出す。

「んー……放送部部長は疲れますね～」

伸びをして、長い息を吐く。
やーっと私の出番は終わった。
クイズ大会の司会は他の放送部員がやる予定となっている。
私も一応部長なので、クイズ大会には必ず参加せねばならない。

「このクイズ大会は毎回何かしら起きてますからなぁ～。楽しみですわ」

去年はカツラ事件、一昨年は学園長の年齢事件。
一昨年、学園長の年齢を問題に出し、
五百歳だとか五億歳だとかありえない年齢と答えた生徒が沢山いた。

と、いうものの。
なぜこんな年齢にしたのかというと、誰も学園長を知らないからである。

いつも朝会の話は体育館のテレビから放送され、
学園長の姿は見えず、真っ暗闇の画面に白い【secret】という文字。
声も合成音声なので、もしかしたら年齢を超越した生物ではないかと噂されていたのだ。

「せーとかいの特にお偉いさんは知ってるだろうけどねぇ」

ちら、と目線を動かす。その先には生徒会の面々が並んでいた。

あたしは、とある事を思い出してみる。
前に、学園長の正体を探ろうとした新聞部の部員が姿を消した事件があった。

もしかして、学園長って最高にヤバい奴だったりして～。

誰かに見られているような気配を感じながら、あたしは席へと戻った。