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約束_49 ページ20

黒尾side


梟谷との試合に負け、ペナルティを終えて戻ってみれば、いつもタオルとドリンクを準備して待ってくれているAがいない

不思議に思って体育館の中を見ると



「……っ、ぼくとっ!すとっ……!」



探していたAが、馬鹿フクロウに肩を揺らされていた

それを見て、ペナルティの疲れを忘れて、急いで駆け寄りAを奴から引き剥がした



「ウチの大事なマネに何やってくれてんの?」


「黒尾!俺のせいでAの耳が!」


「耳どころの話じゃなかっただろーが。お前みたいな馬鹿力にぶん回されたらそのうち意識が飛ぶわ」


「ん?そうなのか?」



たくっ、コイツはもうちょっと自分のことを分かれよ
ってか、木兎を止めるのが赤葦の仕事だろうが

恨みの念を込めて赤葦を見ると
「すみません」と言いたげな顔をして頭を下げてきた

”すみません”で済むなら警察はいらねぇよ


って、それよりもだ



「おい、A。大丈夫か?」



怒りを抑えて、俺の腕の中でクタっとしているマネージャーに声をかける



「く、ろ……?ごめ……、だいじょうぶ、だから」



そう言ってAは離れようとするが
どう見たって足に力が入ってなくてフラフラだ



「無理すんな。気分悪いか?」


「……ちょっとだけ、目眩が、する、かも」



顔色もあんま良くねぇな
暑さにもやられたか?



「A!ごめん!俺のせいで!!」


「ん……」


「デカい声出すんじゃねぇ!頭に響くだろうが」


「黒尾さん、ウチの木兎さんがすみません」



わかってる

木兎は悪い奴じゃねぇし、そんなつもりが無かったからこそ、赤葦は止めるのが遅くなったんだろう

それは多分、Aもわかってるだろう
俺が怒ることじゃない



「後で、コイツに謝れよ」


「2人で謝りに行きます。木兎さん、今はダメです。行きますよ」


「A〜……」



そして、Aは優しいから、そんなつもりじゃなかったが故に落ち込む木兎の気持ちも、汲み取ってやるのだろう



「……ぼくと、大丈夫だから。暑さもあるだろうし。木兎が元気だと、わたしも元気貰えるからさ。かっこいいとこ見せてね」


「……任せろ!赤葦行くぞ!ヘイヘイヘーイ!!」



本当に、ウチのマネージャーは世話焼きが過ぎる
たまには自分本位になってほしいものだ



「治まってきた……。ありがと、クロ」


「あんま心配かけさすなよ」



そう言って頭を撫でてやる

「子供扱いすんなし」と照れるお前に少し笑えた

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ピンス(プロフ) - とても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月10日 23時) (レス) @page6 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ama | 作成日時:2024年3月8日 17時

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