約束_48 ページ19
そして、あっという間に夏休みに入り
森然高校での合宿がスタートした
一日中試合して、ウチは勝ったり負けたり
このメンツで勝率が高いのはやっぱり、今ウチと試合してる
全国5本の指のスパイカー、木兎光太郎率いる梟谷だろう
前回の合宿の結果を見ても、どうにも勝ち越せていない
ﾋﾟﾋﾟｨｰ
試合終了の笛が鳴る
またしても負けた
「だぁー！クソ！……おし、ペナルティ行くぞ！」
「まだまだなぁ黒尾！」
「るっせ！次は止めたらァ！！」
むぅ……
坂道ダッシュに向かうウチの連中を見ながら
先の試合を分析してみる
やはり木兎がノっている時はなかなか勝てない
赤葦のノせ方が上手いのか？
相手はともかく、ウチの問題も勿論ある
リエーフの経験不足も敗因の1つではあるが
クロや山本にも調子のムラがあるからなぁ
「でも研磨にどうにかしてって言っても無理だしなぁ……」
「A！ブツブツ何言ってんだ？」
「うわっ」
「木兎さん、女性の耳元でそんな大きい声を出さないで下さい。大丈夫ですか？Aさん」
うわ出た、妖怪ミミズクベッドとそのおかん
木兎って本当になんでも突然だし、赤葦はスパダリすぎ
さっきウチは負けたばっかりだってのに
よくもまぁ余裕ぶっこいて現れたなコノヤロー
……ちょっとふざけてみるか
「あー……、大丈夫ジャナイナー。ちょっと耳がイタイナー、頭も痛くなってキタカモー」
どうだ木兎。赤葦ならともかく
アンタは慌てふためいて……
ｶﾞｼｯ
……ん？
ちょっと待て、木兎
わたしの両肩を掴んでどうしたんだ木兎
嫌な予感がするからやめ……
「え！！？マジ！？ごめん！！大丈夫か！！？」
ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
「ちょっ、タンマッ、待っ、ぼくとっ！すとっ……！」
頭痛いって言ってる奴の肩を掴んで前後に揺らす馬鹿がどこにいるんだよ！目の前にいたよ！！見てないで止めて赤葦！
力加減……！馬鹿力やめて……！
あ、ほんとに気分悪くなって来たかも……
「ちょっ、木兎さん！そろそろ「おい」……げっ」
赤葦が止めに来た直後、赤葦じゃない声が聞こえて
引っ張られたと思ったら、視界の揺れが収まった
揺らされていた肩が、力強い腕に支えられる
「ウチの大事なマネに何やってくれてんの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 450人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピンス(プロフ) - とても面白いです!!続き楽しみにしてます！ (3月10日 23時) (
レス) @page6 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ama | 作成日時：2024年3月8日 17時
