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「ごめん。
オッサンと手つなぐとか嫌だった？」
「……いえ、そんな、」
「できたらじーちゃんの前では
手つなぐくらいしときたいんだけど。無理？」
「いえ。が、がんばります」
「んじゃ練習。ほら」
エスコートするように
上に向けた手のひらを差し出されて、
緊張しながらその上に手を重ねる。
きゅっと手を握られてどきっとしたけど
がんばって手を握り返した。
歩き出した広臣さんに手を引かれながら
おずおずとついて行くと、
「緊張しすぎ」と笑われる。
「俺、岩ちゃんと2コしか違わないし、
兄貴みたいに思ってくれればいいから」
「……兄とは手をつないだりしません」
「あー、まあそうか。
ちなみにお前、好きな男とかいないの？」
「いません」
「早っ。即答じゃん。
それは女子校育ちだから？
それとも母親に監視されてるから？」
「両方でしょうか……
仮に誰かを好きになっても
お付き合いとかできなかったと思うし、
そもそも周りに男子がいなかったですし」
ずっと女子校に通っているから
学校に男子はいないし、
学校が終わったら習い事があって
母親に送迎されているから
男子はおろか女子の友達すらいない。
そんな状況で好きな人ができる訳もなかったし、
政略結婚をさせられることが決まっていたから
現実の恋愛は自分には縁のないものだと
思っていた部分もある。
「……恋愛したいとか、思ったことねーの？」
「できないって最初から分かってるから
したいと思ったことはないです。
本を読む限りでは楽しそうですけど」
私にとって恋愛とは、架空の世界のできごとだ。
本の中で繰り広げられるそれらは楽しそうで、
苦しそうで、切なくてもどかしくて
読んでいてとても面白い。
だけど政略結婚させられるために生まれた私が
実際に恋愛することはないと分かっているから、
したいかと問われてもピンとこない。
そう言うと
広臣さんは痛ましそうな顔で私を見た。
「……これからできるよ。いくらでも」
そう言われたけど、やっぱりピンとこなかった。
半年後、婚約破棄をして自由の身になれたとして
私は誰かに恋をするだろうか。
これまでとても狭い世界の中で生きてきて、
友達すらいないのに
誰かと親密な関係を築けるのだろうか。
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なつめ(プロフ) - aggyさん» 臣くんはお姫様が可愛くて仕方ないので無意識にデレてます笑 若先生は移行してから出てくる予定です！もうちょっとお待たせしますが重要なキャラになる予定なので楽しみにしていただけるとうれしいです♪ (2019年7月20日 17時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» たぶんコメントいただいたことあります！隆二くんがお好きでしたよね？なのに臣くんのお話を読んでくださりありがとうございます♪途中悲しい出来事がありますが、絶対ハッピーエンドなのでご安心ください！更新がんばります♪ (2019年7月20日 17時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - 臣さんの天然たらしぶりが大好物すぎてニヤニヤしてます、あと小林の若先生楽しみです、早く出てこないかなぁ(期待)続き楽しみにしてますね！ (2019年7月19日 19時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - こんにちは。初めまして…ですかね？前にコメントさせて頂いたような…このお話、大好きです♪けど、なんだかんだで上手くいって欲しいなぁ〜なんて思っています。JKと臣さん(*^^*)なんか、よくないですか？このシチュエーションご馳走さまです！更新楽しみに待ってます (2019年7月19日 19時) (レス) id: e0a21118dc (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - あにゃさん» コメントありがとうございます♪岩ちゃん推しなのに他のお話も読んでくださったんですね！私も圧接工の隆二くん大好きです笑 このお話の岩ちゃんはお兄ちゃんですが、また出てきますので楽しみにしていただけるとうれしいです♪ (2019年7月17日 23時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年7月2日 22時
