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雅紀から遅れること数分
教室に入る際
潤は高校に入って初めて
他の生徒が同じ空間に居てくれることに
ホッとした
雅紀と隣り合わせにふたりきりでは
なんとなく気まずかったからだ
黙って自分の席に座る
気になってちらりと隣に視線を移せば
満面の笑みを浮かべた雅紀がいた
あれだけ雨風がひどければそれは気になるだろう？
と聞かれてもいないのに雅紀に言い訳をした
そんな自分がとてもつまらない人間に思えて
潤は自分が腹立たしく思えた
雅紀は そうだよねと深く頷き
潤に向かって優しいんだねと
からかう風でもなく至極真面目に感心した
顔を真っ赤にした潤は
カバンの中身をガシッと掴むと
机の中に乱暴に押し込め
雅紀とは反対の方を向いて
ぷいと頬杖を付いた
くすくすと雅紀が笑っていたのが聞こえたが
不思議と嫌な気持ちにはならず
ほんの少しだけ心が暖かくなるのを感じていた
その日を境にふたりの関係は徐々に変化した
以前のように雅紀ばかりがまくしたてるのでもなく
全く話さないわけでもなく
互いに身構えず会話を交わせるようになった
潤と雅紀
隣同士並んだ机の間にあった
見えない壁は少しづつ取り払われていった
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43(プロフ) - 大変お待たせして申し訳ありませんでした。見捨てることなくページを開いてくださった皆様、ありがとうございました。亀更新が続きますが、完結目指してカーソルはノロノロと進んでいっております。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。よろしくお願い致します。 (2021年5月12日 21時) (
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作者名：43 | 作成日時：2021年5月12日 21時
