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あれから数日
ふたりはある場所にいた
『金田一探偵事務所』
所長は堂本剛といって
第一印象は関西弁のおもろい兄ちゃん
どこかひょうひょうとしていて
こちらの気持ちを見透かされているような
そんな印象の人物だった
所長は堂本なのに
何故に『金田一探偵事務所』なのか
いつも聞かれて説明しあきたという
彼に変わり雅紀が説明してくれた
堂本は父方の姓
母方の祖父が元々やっていた事務所で
それを継いだ形になったため
ややこしいことになっているらしい
母方の祖父という人は
変わり者だったが凄腕の探偵で
いくつもの難事件を解決に導いていた
らしい……と
その血筋か剛もまた素晴らしい才能の持ち主だが
やはり少し変わり者だとも
相葉グループとの関わりは深く
祖父の代からの付き合いで
剛と雅紀も少年の頃からの知った仲だ
雅紀の父の会社で
数々の企業への内偵や社内調査
社員の困りごと解決や迷子ペットの捜査まで
様々担っていた
なぜここを訪れたか？
潤は悩み事を解決してくれたこの探偵に
どうしてもお礼が言いたかったのだ
数年前から父親の会社では
ある商品の開発に力を入れてきた
それがやっと形になり
生産ラインにのせようとするところまで漕ぎ着けた
しかしその矢先にライバル会社から
ほぼ同等と思われる商品が発売された
それによって潤の父親の会社は
その商品を発売できなくなったばかりか
材料まで仕入れていたために
相当の打撃を食らってしまったらしい
しかも以前にも同じような事があり
さすがに今回は両親もショックを受けたらしく
そんな様子を見て潤もまた沈んでしまっていた
雅紀は跡取りとして小さな頃から
会社のあらゆることを目にしてきていた
その中の一つに仲間だと思っていても
疑わなければならなくなる時がある
そんなことも学んでいた
いわゆる“産業スパイ”というやつで
社内で他企業にリークしていた者がいたのだ
その人物を特定できたことで
潤の父親の会社はこれ以上の損失を出さず
改めて軌道修正することが出来た
実際相葉グループのような
大きな会社になればなるほど
そういったリスクは大きく
過去に何例もの裏切りを
雅紀も目の当たりにしてきた
潤は雅紀が人懐っこそうに見えて
その実とても人見知りで
人付き合いに関しては慎重であるのが
やっと理解できた気がした
潤は今回の件について丁寧に感謝を伝えると
もう一つお願いしたいことがあると
堂本に詰め寄った
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43(プロフ) - 大変お待たせして申し訳ありませんでした。見捨てることなくページを開いてくださった皆様、ありがとうございました。亀更新が続きますが、完結目指してカーソルはノロノロと進んでいっております。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。よろしくお願い致します。 (2021年5月12日 21時) (
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作者名：43 | 作成日時：2021年5月12日 21時
