【実況者】特別病棟の患者さん【男主】

二人目 ページ4

カチャ…

えっと、次の患者さんは…


『レトルトさん…ですか』

｢は、はい｣


ガシャガシャとロボットのような動きで椅子に座るレトルトさん。

レトルトさんは…何の感情が強くなっているのでしょうか。


『どうも、東谷と申します』

「東谷…先生…」


と、そのときレトルトさんの目、というか雰囲気が変わった。


「もちろん、オレ、帰れるよな？東谷先生？」


そう目を細め、ニッコリと笑いながら言うレトルトさん。

明らかに雰囲気が変わった。トゲトゲとした雰囲気を放っているレトルトさんは、先ほどのオドオドとしたレトルトさんとは真逆。


『……二重人格…ですか』

「お、よく分かったなー」


ケラケラと笑うレトルトさん

これは随分と扱いが難しくなりますね…


「まあ、よっぽどの事が無ければオレは出てこんから、安心してや」


レトルトさんがそう言うと、また雰囲気が変わった。今度は、先ほどのトゲトゲとした様な物ではなく小動物を彷彿とさせるような雰囲気になった。


「あの…すいません」

『いえいえ、大丈夫ですよ』


自覚有りか…


『困ったことがあったら、すぐにいってくださいね』


もう一人の方のレトルトさんが可笑しな行動をしたら大変ですからね

それに、レトルトさんの精神が耐えられるかも分からない。


「あ、ありがとうございました！」


そう言って部屋から出て行くレトルトさん。

ガンッ

…ドアに頭を盛大にぶつけながら。



“二重人格”_レトルト

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