第94Q ページ18
緑「この間、神宮寺に会った」
その言葉に返事を出来ずに私はただただ目を大きく見開いていた。
緑「なんだ、忘れたのか。神宮寺だ。神宮寺
『忘れてなんかないよ。』
遮るように答えた。
思っていたより大きな声に私自身も驚いた。
口の端を無理やり押し上げて笑顔を作る
『咲薫、元気そうだった?』
懐かしい名前を口にすると、あの頃の記憶が蘇ってきた。
神宮寺咲薫とは、小学校時代のチームメイトだ。
クラスは違ったものの、咲薫はバスケが上手でいつも私の相手をしてくれた。
校内では、私と緑間に加えて、咲薫の3人で天才と呼ばれてたこともあった。
緑「あぁ、変わらない様子だった。今もバスケは続けてるらしい。」
そっ、か。なら良かった。
あと、と彼が続ける
緑「Aは今どうしてるかと聞かれたのだよ」
ドキリとした。
緑間は半ばあきれたように言う。
緑「気になるなら自分で調べろと言ったら笑われただけで何も言わなかったが」
そう、と答える私の様子が明らかにおかしいのに気づいたテツヤと涼太が心配そうに見つめてくるのが分かった。
私はただ俯いていた。
緑「一度会って話してみ、、」
『ごめん、お手洗い行ってくる。』
構わずに話を続けようとする緑間の言葉を遮り、堪えきれなくなった私は逃げるようにそう言い、その場を後にした。
もう、思い出したくもなかった過去。
塞がりかけていた瘡蓋を無理やり剥がされたような感覚で、ヒリヒリと晒された心が傷んだ。
黄「緑間っち酷いッスね〜」
黒「さすがにあれは無いと思います。」
緑「…お前らは、何故あいつがバスケをしないか知ってるか?」
黄「そーいや、知らないッスね。Aっち上手いのに」
黒「僕は見る方が好きと言われたことがあります。」
緑「知らないのなら黙るのだよ。俺は全てを知っている上で言ったのだ。
あいつのことを、1番わかっているのは、俺なのだよ────」
328人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涸萌佳雨(プロフ) - ミオさん» コメントありがとうございます(՞ . .՞) 近日公開ですので、今しばらくお待ちください!話の内容をどこまでにするかで題名を検討中なのです(*´ `*) 早く皆様に公開できるように頑張りますね! (2022年11月23日 11時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - パスワードってなんですか( ; ; ) (2022年11月22日 22時) (レス) @page36 id: 7d809c8ef1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2021年9月23日 19時