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『本当に困っていたので、お電話嬉しかったです、…でも、』
わたしが、昔みたいにリラックスして喋るところを、わたしと佐藤先輩が聞いている。
不思議な感覚。これは本当の気持ちだろうか。本当は二もなく飛びついて、困っていたんですよ、と甘えたい自分が、どこかにいるかもしれない、とも思う。
カ「俺らが付き合ってたこと？」
『…そ、ですね、』
カ「その、普通に。友達として、…Aが困っているなら放っておけない。心配だから、」
『・・・佐藤先輩は、いいんですか』
カ「うん」
『お世話になっても、…？』
カ「うん、もちろん。」
どこか他人事のような、もしくは都合のいい夢のような話。断らせてくれそうにない、と富永先輩と佐藤先輩の顔を思い浮かべて自嘲する。かなうはずない。
どういうリアクションが、正解なんだろう。
『あの、ちょっといいですか？…その、この前、』
カ「うん？」
『渋谷でお見かけしたんですけど、』
カ「え！知らない、いつ？」
『二週間前くらいの、お昼ですかね…？思い切り無視されたので、その、』
カ「えっっ！！無視してない、嘘でしょ、…え、あっ、似た人は見たかも、あれA？」
『たぶん。その…、コーヒー買ってて、』
カ「Aに似てる子がいてびっくりして逃げたわ、そういえば」
『…それ、わたしです』
カ「え、ごめんごめん！絶対違う人なのにめっちゃ目が合っちゃってキモいって思われたらやだから店変えた、まじでごめん」
『…あ、そうだったんですね、…挨拶しようと思ったのに、行っちゃうから』
カ「いや、普通に勘違い、…なんか、成長したからわかんなかった」
『…？老けたってことですか』
カ「・・・・・・。」
いや違うけど。ふん、って鼻で息を吐いて言った先輩の機嫌が悪くなって、トミーから連絡いくと思う、また連絡する、とだけ言われて通話が切れた。なんで急にぶっきらぼうになっちゃったんだろう、とスマホを見つめながら思う。
今の先輩のことは全然わからないや、と寂しさが残った。
そして数日後、富永先輩とやり取りをしつつ引っ越しの手続きを進めているとき、家のインターフォンが鳴った。
『はいはーい』
宅配かな、と思ってなにも確認せずに玄関を開くと、世にも恐ろしい顔をしたまんずが立っていたのである。
つづく
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りい(プロフ) - 個人的に気持ちに余裕がなくて趣味を疎かにしていて、久しぶりに占ツクに来て、まっさきに学パロを拝見しました。社長室さんの小説、やっぱり好きです。素敵な作品を、癒しをありがとうございます！ (2019年9月23日 4時) (
レス) id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！素敵な感想、本当に嬉しいです〜ノリノリで描いていったというよりは、すこし苦しみながらできあがっていったので、幸せを感じていただけたことを心から感謝します。ひみつのほうもぼちぼちやっていますのでまた読みにいらしてください〜 (2019年7月27日 22時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ(プロフ) - 完結おめでとうございます！今更ながら、ひみつからきて読ませていただきました。もどかしい青春が詰まっていて、社長室さんの描かれるカンタくんととみなが先輩がたまらなく大好きです。とてつもない幸せに包まれました。ありがとうございます。 (2019年7月26日 11時) (レス) id: 04f6d975f4 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じょん、さん» コメントありがとうございます！学パロで終わらせておけばよかったのに大風呂敷をひろげて２に続きまして、リアルタイムで呼んでくださった方にはご迷惑をおかけしました…！短編のほうは地道にやりますので、またお暇なときにでも覗いてやってください！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - 名無し9253号さん» お付き合いくださりありがとうございました！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：社長室
| 作成日時：2019年6月5日 11時
