学パロ２

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カンタside

キ「なんすか」

カ「Aってキイチから見て美人？」

キ「…は？」


晴れて数年越しにまたお付き合いをすることになった俺とAは、まずそのブランクを埋める作業が必要だった。お互いがお互いのことをどう思っているのかはっきりわからなくて、ふわっとする時間がたまにある。それは悪いことじゃないけど、できたら早く新しい関係性を構築したいと俺は思っている。


朝だけすっぴんのAは、朝食後お化粧をしてきれいなお姉さんになる。大人っぽくてきりっとしてて隙のないその姿ももちろん素敵だけど、俺はどっちかというとすっぴんが好きだ。飾った女性に思うのは、単にその技術がどう作用しているか、であって。…これ言うと女性は怒るのかもなあ。言い方変えます。好きでやってるならいうこと無し。これに尽きる。
俺の部屋のベッドでくっついて寝て起きて、ぼっさぼっさの頭で目とか開いてなくて、頬にシーツの跡つけて。色なんかなくなって乾いた唇に、骨っぽい裸足。

そんな彼女の全部、ひっくるめて愛おしい。


キ「…美人、ですね」

カ「やっぱりそうかああああ」

キ「やっぱりってなんすか」


訝し気に俺を見て、トミーに呼ばれて去っていくキイチ。廊下の壁に頭をくっつけてため息。
付き合ってからというもの、なんかこう距離があって接しにくい。むこうは、気をつかっているみたいでいつもピンと張りつめていて、嘘とかじゃないけど、つくりものの顔をするときだってある。かなり強引に付き合うことになった経緯があるので、むやみやたらにそこをついて本当に好きなのかわからない、って言われたら泣く。だからできない。


『んん〜』


風呂場からでてきたAは、鼻歌を歌ってラフにまとめた髪の毛をゆらしてとことこと廊下に出てきた。途端に、お風呂あがりの香りが充満してなんか照れる。

『あーまなてぃーになりたいー』

俺がいることに気が付かないまま、冷蔵庫をあけてお茶をだしているので、足音をたてないように近付く。



つづく

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